〜育てる責任を負うマネジメント層に届けたい実践書〜
株式会社MIMIGURI(本社:東京都文京区、代表取締役Co-CEO:ミナベトモミ、安斎勇樹)は、当社ファシリテーターの木村彰宏による書籍『教育者のためのコーチング入門』が、2026年9月18日に株式会社東洋館出版社より発売されることをお知らせいたします。発売前よりAmazonランキング「教師向け書籍部門」で第1位(2026年8月8日調べ)を獲得するなど、早くも高い注目を集めています。
本書は、教育現場と経営コンサルタントを横断して活動し、プロコーチでもある木村が、上司や教師が直面する「評価・指導の責任」と「主体性の尊重」という構造的矛盾を、対話への向き合い方と技術から解きほぐした実践書です。評価や指導の責任を負いながら、どうすれば相手の主体性を引き出せるのか。色濃く制約を抱える「学校」を起点に体系化しました。国際コーチング連盟(ICF)が定める「コア・コンピテンシー(中核となる能力要件)」を土台に、具体例とともに解説。企業での人材育成やマネジメントにも示唆を与える、実用的な技術としてまとめました。
【本リリースのポイント】
- 「評価と育成のジレンマ」を解く現実的なアプローチ:対等性を求めるコーチングをそのまま持ち込む難しさを前提とし、評価や指導の意図があることを認めたうえで、相手の主体性を最大限に尊重する「コーチング的な関わり」を提案します。
- 明日から職場で使える、対話の向き合い方とHowを体系化:評価を持ち込まない「非評価性の土台づくり」や、「共感→整理→提案→触発」で構成される「ミニU字プロセス」など、ビジネス現場でも活用できる技術を具体的に解説しています。
- 「国際基準」を現場に合わせて翻訳:国際コーチング連盟(ICF)の公式文書や学術論文の「コア・コンピテンシー」を土台に、プロコーチである著者自身の経験を織り混ぜ、制約のある現場の技術へと体系化しました。
■ 「評価・育成」と「主体性」の板挟みで摩耗するマネジメント層
近年、企業では人的資本経営が広がり、現場では部下の話を傾聴し、主体性を引き出すことが管理職に求められています。その手法としてコーチングへの需要が高まる一方、本来、純粋なコーチングは評価を持ち込まない「対等な関係」を前提とする技術です。そのため、上司と部下のように「評価者が育成者を兼ねる」現場にそのまま持ち込むことは、構造的に矛盾しています。
たとえば、多くの企業に導入されている1on1。目的は組織によってさまざまですが、部下の話を聴き、不安をやわらげ、次の一歩を後押しする時間である点は、おおむね共通しています。ところが実際には、上司のスキルやそれまでの関係性によって、部下が受け取る体験はまったく別のものになります。聴くつもりが進捗確認になり、部下は身構え、上司は手応えを失う。双方にとって、失敗体験の場になってしまうことも少なくありません。
こうした構造的矛盾を色濃く抱えているのが学校です。国が「ティーチングからコーチングへ」という方針を掲げる一方で、教師は子どもを評価・指導する責任を負っています。
本書では、評価・指導の責任を持つ教育者の立場に着目し、コーチングの考え方をそのまま教育現場に持ち込むことの難しさから出発します。教育的な意図や役割があることを自覚したうえで、相手にどこまで判断を委ね、主体性を尊重できるか。そのための「コーチング的な関わり」を、具体例とともに解説します。
本書で語られる具体例は教育現場のものですが、評価・指導と主体性の尊重をめぐる、共通する課題があります。本書の知見は、ビジネス現場の組織開発に転用できる実用的な手立てとなります。
■ 本書の提案:明日から使える「コーチング的な関わり」の具体例
本書では、相手が自ら進む方向を決める主導権を「どこまで、どのように渡すか」という視点で、職場での対話を考えるうえでも参考になる視点や手法を体系化しています。
- 【対話への向き合い方】「対等なフリ」をやめ、非評価性の土台をつくる
まずは「自分は評価者である」という事実を認め、純粋なコーチングを手放すことから始まります。その上で「事実」と「解釈(評価)」を切り離し、評価の枠組みを保ちながらも、安全に話せる土台(非評価性)を築くスタンスを解説します。 - 【対話のプロセス】短時間で主体性を引き出す「ミニU字プロセス」
忙しいマネージャーが日々の1on1でも回せる実践的な対話の型です。上司が助言や正解を押し付けるのではなく、「共感→整理→提案→触発」のサイクルを回すことで、短時間で相手の自律的な行動を促します。 - 【具体的な声かけ】上から目線で「褒める」のではなく「承認する」
「よくやった」といった評価を伴う言葉は、かえって部下を評価の枠組みに縛り付けます。結果をジャッジするのではなく、行動の事実や存在そのものをフラットに認める「承認」のスキルの違いと具体例を提示します。
■ なぜ、経営コンサルティングファームのメンバーがこの本を書いたのか
本書は「環境によらず、誰もが『自分の人生』を主体的に生きるには」という、著者・木村彰宏の長年の探究が結実した一冊です。MIMIGURIのコンサルタントとして企業の組織開発に携わると同時に、元教員で現在も教育委員会に籍を置く木村は、二つの現場で、同じ構造のジレンマに直面してきました。
時代の変化とともに、企業では、管理し、教え、育てる責任を担いながら、どこまで一人ひとりの主体性を引き出せるのかと、多くのマネージャーが悩んでいます。「部下の本音がわからない」「良かれと思ったことが、かえって主体性を奪っていたのかもしれない」──そんな声も、少なくありません。
同じことが、学校でも起きています。評価や指導という枠を担う先生方が、子どもの主体的な学びをどう支えるかを、日々試行錯誤しています。立場も、現場で使われる言葉も違う。けれど、抱えている苦労の構造は、同じではないか。
本書の構想は、木村がまだ学校現場にいた頃に始まりました。書き進めるなかでMIMIGURIに参画し、企業の組織開発に関わるようになって、その手応えは確かなものになっていきます。学校は、この矛盾がもっとも濃く現れる現場です。そこで磨かれた「コーチング的な関わり」は、企業のマネジメントにも、そのまま重なる──。二つの現場を行き来しながら、そう感じ続けた数年が、この一冊になりました。
個人の探究テーマから出発し、教育とビジネスという異なる現場を横断することで体系化された本書の知見は、教育者だけではなく、ビジネスリーダーやマネージャーにとっても実践的な手立てとなっています。
今後もMIMIGURIは、多様な専門性を持つメンバー 一人ひとりの探究を組織のケイパビリティとして育み、企業へと、そして社会へと拓いてまいります。
■ 著者コメント
近年、内閣府や教育委員会の資料でも、コーチングという言葉が掲げられるようになりました。一方で、現場の先生方と関わるなかで感じてきたのは、「どう学び、どう活用していけばいいのか分からない」という切実な戸惑いです。子どものためにと模索しながら、確かさを判断しにくい情報にも頼らざるを得ない。その状況に危機感がありました。
私自身、教育現場とコーチングの実践を行き来するなかで、評価や指導の責任を持ちながら、相手の主体性をどう尊重するかという問いと向き合ってきました。だからこそ、教育関係者の方々が日々の関わりのなかで立ち返れる、確かな手がかりを届けたい。その思いで本書を書きました。
教育関係者はもちろん、組織で人材育成や対話に悩む方々にとっても、相手の主体性を育み、探究を支える具体的なヒントになれば幸いです。
【著者インタビュー記事(note)のご案内】
本書のベースとなった、木村の長年にわたる探究の軌跡や、出版に至るまでの背景を深掘りしたインタビュー記事を公開しています。著者の歩みや想いの背景として、ぜひご参照ください。
10年以上、同じ問いを追い続けて──木村彰宏が『教育者のためのコーチング入門』を書いた理由
■ 刊行記念ウェビナーを10月16日に開催
本書の刊行を記念し、株式会社MIMIGURIが運営する探究メディア「CULTIBASE」にて、著者・木村彰宏によるウェビナーを開催します。テーマは「評価や指導の責任を負いながら、どうすれば相手の主体性を引き出せるのか」。本書を手がかりに、職場・学校・家庭それぞれの場での関わり方を検討します。
【出版記念】コーチング的な関わりを考える──育成・評価と主体性の尊重という矛盾を抱えるマネージャー、教師、親に向けた『教育者のためのコーチング入門』著者ウェビナー
- 日時:2026年10月16日(金)18:00〜19:00
- 形式:オンライン(参加者にメールで配信URLをお送りします)
- 登壇:木村彰宏(株式会社MIMIGURI ファシリテーター/プロコーチ)
- モデレーター:笠松拓也(株式会社MIMIGURI コンサルタント/ファシリテーター)
- 参加費:無料
- 申込:https://www.cultibase.jp/events/coaching-book-event/
※開始1時間前に参加チケットの配布を終了します。
■ 『教育者のためのコーチング入門』について
学校には、評価・指導・責任という枠があり、教育現場で「コーチングそのもの」を行うことはできません。しかし、その考え方を教育の言葉に翻訳すれば、子どもや同僚との関わりを大きく変えられます。国際資格を持つプロコーチ×公認心理師が、理論から実践まで体系的に解き明かす、教育者のための入門書です。
●国際資格を持つプロコーチが書いた、正統派の入門書
著者は、国際コーチング連盟(ICF)の国際資格と、国家資格の公認心理師を持つプロコーチ。世界中のコーチが基準とする考え方を、教育現場向けにわかりやすく整理し直しました。見様見真似のコーチング本ではなく、確かな理論に裏付けられた内容を、理論編・実践編・探究編の3部構成で、初めての方でも順を追って学べます。
●子どもが「ハンドル」を握り直す、具体的な関わり方
評価を挟まない「非評価性」を土台に、子どもの声を聴く関わり方を解説します。事実・解釈・感情・願いという4つの視点での聴き方、提案が誘導にならないための3つのコツ、短時間でも使える「ミニU字」など、具体的な手法を解説。思春期特有の悩みへの向き合い方や、豊富な会話例から、明日から使える関わり方がわかります。
●同僚や管理職など、大人どうしの関わりも変わる
同僚から相談を受けると、つい「こうしたらいい」と助言したくなりますが、本当に求められているのは正解ではなく、状況の整理や、自分では見えていない視点であることも少なくありません。そうした関わりを、上下関係のない仲間どうしがコーチ役・クライアント役を交代しながら実践する「ピアコーチング」の始め方や、管理職・指導主事など立場が違う相手との「縦の関係」での関わり方まで。子どもだけでなく、職場の対話全体が変わる方法がわかります。
書名:教育者のためのコーチング入門
著者:木村彰宏
発売日:2026年9月18日
ページ数:410
判型:四六判
発行:株式会社東洋館出版社
定価:2,530円(税込)
ISBN:978-4-491-05725-5
出版社ページ:https://www.toyokan.co.jp/products/5725Amazonページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4491057257
■ 著者プロフィール

木村彰宏(きむら・あきひろ)
復興支援NPO職員、小学校教師(認定NPO法人Teach For Japanフェロー2期生)を経て、株式会社LITALICOに入社。ジュニア事業部で子どもたちの発達支援に、人材開発部で教育に関心のある学生・社会人のキャリア支援に携わる。2020年4月、コーチングで起業家や経営者を支援する株式会社コーチェットに参画し、トレーナー兼コーチとして活動。2021年4月には軽井沢風越学園に加わり、5年ぶりに学校現場へ戻る。2024年4月、文部科学省認定の研究機関 兼 経営コンサルティングファーム 株式会社MIMIGURIに参画。2025年7月からは、生駒市教育委員会事務局に任期付職員としても入職。 そのほか複業では、プロコーチ(国際コーチング連盟認定PCC、CTI認定CPCC®)、公認心理師・キャリアコンサルタント(いずれも国家資格)として、コーチングを含む個人への支援、研修・ワークショップ設計、ファシリテーション、キャリア教育、全国の教育委員会での研修・育成支援など、教育と組織の間を横断しながら幅広く活動している。
■ 参考情報
本書が扱う「聴く」「問いかける」「対話」の技術や組織マネジメントへの応用については、MIMIGURIが運営する人と組織の探究メディア「CULTIBASE」でも関連コンテンツを発信しています。

