リブランディングは「わからないことだらけ」ーCULTIBASEの新たなコンセプトとVIに込めた想い

  • 吉田直記

    デザイナー

  • 大久保潤也

    コピーライター/コンセプトプランナー/サウンドプロデューサー

  • 田島佳穂

    プロダクトデザイナー

  • 東京造形大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒業後、2014年にDONGURIへ入社。 視覚表現のスペシャリストとして、web/プロダクト/グラフィックまで、表現探求に深くコミットしたクリエイティブをマネジメントしている。

  • 2005年ソニーミュージックから“アナ”でデビュー。6枚のアルバムをリリース。2014年からコピーライターとしてMIMIGURI(旧DONGURI)にジョイン。クリエイティブディレクターとしてブランディングやPR案件を担当。2017年から作詞やプロデュースを手がけるアイドルグループ“lyrical school”の楽曲では2曲連続でオリコンチャート1位を獲得。2020年にはOLD.Jr名義で初のソロ作品をリリース。エンターテインメント性のある企画プランニング、ブランドコンセプトや企業のメッセージ開発に多く携わる。

  • 首都大学東京(現・東京都立大学)大学院システムデザイン工学科修了。ヤフー株式会社へデザイナーとして新卒入社し、プロダクトマネージャーも担いながら新規事業の立ち上げ等を行う。その後、PayPayフリマにおいてデザイン責任者とマネージャーを経て、2023年よりMMIMIGURIへ参画。UXデザイン領域に軸足を置きながら、戦略からつながるプロダクトデザインに取り組んでいる。 学習サービスのプロダクトデザインを通して「学習によって創造性が拡がる」ような体験のデザインを探求している。

CULTIBASEは2024年10月3日にコンセプトコピーとVI(ビジュアルアイデンティティ)のリニューアルを行いました。コピーは「組織ファシリテーションの知を耕す」から「人と組織の探究メディア」とし、新たなVIは「多様なレンズ」をテーマとしたデザインとなっています。

「わからないことだらけの世界を楽しむために」CULTIBASE のコンセプトとVI(ビジュアルアイデンティティ)をリニューアル

このリニューアルのプロジェクトをリードした田島 佳穂さん(文中:田島)は、スタートした当初にワークショップでコンセプトを言語化しようとしたものの抽象度が高く、収束させるのが難しかったと話します。そこで、コピーライティングをMIMIGURIのメンバーである、大久保 潤也さん(文中:大久保)ビジュアルを吉田 直記さん(文中:吉田)さんに担っていただき、つくって壊してを繰り返しながら約4ヶ月間をかけて新しいコピー・VIが完成しました。

今回の中心となったコピーのキーワード「探究」やVIの日常や生物といったモチーフをどのように落とし込んでいったのか。社内メンバーをどのように巻き込み、どのような紆余曲折があったのか。プロジェクトメンバーである田島・大久保・吉田が完成までのプロセスを振り返りました。

「CULTIBASEっぽさ」を突き詰める。改めて完成したVIやコピーを眺めて感じること

完成したVIやコピーを改めて見て、いかがですか?

田島なにを目指しているサービスなのかが伝わりやすくなったなと思いました。コピー、ビジュアルでCULTIBASEのサービスやコンテンツの方針の変化が表せているなと。

大久保CULTIBASEの立ち上げ当初もコピーライティングに関わっていましたが、MIMIGURIのメンバーであるにも関わらず自分から少し遠い存在に感じていました。ですが、今回のリニューアルを経て、より共感できるようになり、一気に身近な存在になりましたね。

吉田今回のリニューアルは事業上での戦略的な意図も大きかったのですが、プロジェクトメンバー、事業に関わる全員で「CULTIBASEっぽさ」「MIMIGURIっぽさ」を突き詰めた結果、まとめられたのは社内的にも意義のあることだと思います。

リニューアルを経て完成したコピー
リニューアルを経て完成したVI

皆さんの職種と今回のプロジェクトにおける役割を教えてください。

大久保MIMIGURIではコピーライター、コンセプトプランナーとして、企業のミッション・ビジョンなどの言葉をメインにつくっています。あとは、CULTIBASEのジングルなど音をつくったりしています。今回のプロジェクトでは、コンセプトを言語化する部分、キャッチコピーとタグラインを担当しました。

吉田MIMIGURIでは主にビジュアル、ブランドの視覚領域、このプロジェクトにおいても、キービジュアルを担当していました。

田島職能で言うとデザイナーですが、CULTIBASEのプロダクト事業のリード、ブランディング、横断的なデザインをしています。このVIのアップデートは私がやりたいと手を挙げ、PM・クリエイティブディレクションを担当していました。

「CULTIBASE Lab」の完全無料化がきっかけとなってプロジェクトがスタート

田島さんが手を挙げてプロジェクトがスタートしたとのことですが、どのような背景から刷新することになったのでしょうか?

田島CULTIBASEは2021年にリリースしてから更新を続ける中で、コンテンツや方針も大きく変化してきました。当初はファシリテーションやワークショップのイメージが強かったのですが、今ではマネジメントや経営学の分野にも領域を拡張しています。今後もさらに変わっていくだろうという中で、以前のままでは、特定の領域へのイメージが強く、現状の良さが伝わらないと懸念していました。

また、CULTIBASEのイメージがCo-CEO安斎さん(以下、安斎)の著書である『問いのデザイン』や「Co-CEOの安斎さんとミナベさんのラジオ(CULTIBASE Radio)」といったように、人を想起するものが中心になっていました。それも決して悪いことではありませんが、サービスとしてはもう一歩踏み込んだ説明が必要だなと。

事業に関わっているコンテンツ制作や研究開発、マーケなどのチームの方々からも「コンセプトが現在の我々が提供しているものと離れてきていて、伝わりづらくなっているので改めて言語化したい」という声が出始めていました。しかし、それは時間を要するとわかっていたので、進めるには勢いが必要だと感じていました。それが大きくサービス全体の方針転換を決定したタイミングで、進めるなら今だなと決意しました。

ワークショップで用いたmiro

田島ブランディングに強みを持つ社内のメンバーにも相談をして、ワークショップから始めました。

ワークショップは、市場におけるポジショニング、顧客との関係性、サービスとしての強みといった側面から考えたのですが、当たり障りのない「組織と事業の両輪を学ぶ学習コミュニティ」といった言葉に収束してしまい、しっくり来るものに決まりませんでした。プロダクト事業内の限られたメンバーで考えるには限界を感じましたね。市場のニーズからサービス価値をシャープにすることよりも、CULTIBASEが大切にしているものを言語化していく方向がいいのかなと思いました。

なので、クリエイティブのプロフェッショナルである大久保さんと吉田さんのお二人に、まだふわっとしたものを捉えていく段階から一緒に進めてもらうことにしました。

吉田さんと大久保さんは最初に声をかけられたときどう思われましたか?

大久保コピーライティングは、言語化しようとしてこぼれ落ちてしまったことこそ、本当に大切なものじゃないかと思ってます。これまでのワークショップなどで出てきたアイデアを単にまとめるのではなく、そこに出ていない何かを探していく作業になると思いましたね。

吉田CULTIBASEの初期にもVIに関わっていたので、新たに作るなら、どうしても今までと似てしまう部分がでてくるので自分は関わらない方がいいのではと実は思っていました。ただ一方で、今回のプロジェクトの話を聞いて、やりたいなという気持ちも強く持っていました。

「学びの場」から「探究」へ振り切った背景

最初はどのような議論からスタートしましたか?

田島最初に特に悩んだのが元々のタグラインだった「組織ファシリテーションの知を耕す」という部分でした。ファシリテーションにしっくりきてない方や、ファシリテーターのためのサービスというイメージが出てしまう。でも領域を拡張していきたいし、MIMIGURIは研究機関でもあるので広げるだけでなく深みを持たせたい、その二点を伝えたいよねっていう話から始まりました。

ユーザーインタビューなどでも「なんとなくいい感じのサービスだけど、具体的に何がいいのかわからない」という声をよく伺っており、コピーが伝わりにくい・解釈しにくく、利用のハードルが上がっていると考えていました。

まだ言葉にできていない価値を言語化していかないと、伝えたいことが伝わらない。専門用語や独自の言葉を使うのではなく、誰でも理解しやすい表現方法を見つけようとしていました。徹底的に伝わりやすくしたい、一方でCULTIBASEが大切にしたい部分は絶対に残したい、その二つをどう両立するかにこだわりましたし、いちばん難しかったところですね。

特に中心となっていた言葉はありますか?

大久保最初は「学び」という軸で進めていて、途中で「探究」というキーワードに振り切ったんですよね。

なぜその判断をしたんですか?

大久保当時、安斎さんがVoicyなどでよく「探究」を取り上げていて、MIMIGURIの社内でも今後「探究」が中心になっていきそうという話がよく出ていたというのがあると思います。

あとは、いくつか他のビジネス系の学習メディアを見たりして、なんとなく違いを感じていました。CULTIBASEは確かにビジネスを学べるメディアではありますが、明日から使えるナレッジが得られるわけではないので、一般的なビジネス系のメディアとは違う。ユーザー自身が自分で解釈してどう使っていくかという意志を持って使ってくれるといいのだろうなと思いましたね。

田島学びという言葉だけだと、MIMIGURIが提唱する「探究」という本質的な意味が十分に表現できていなかったんですよね。「学ぶ」って一般的な言葉ではあるんですけど、相互間的ではないですし、MIMIGURIで大切にしている「相互触発によるアイデンティティの変容」が表現しきれていないよねとなって。

吉田田島さんが遊びとかOSの話をしていましたね。参考のひとつにした「COTEN RADIO」のフィロソフィーにCOTEN OSという価値観の土台になる3つの概念があって、それをCULTIBASEに当てはめたり、ちょうど似たようなことを話している安斎さんのVoicyを聞いたりして、探究に振り切ったと思います。

田島確かに、COTEN RADIOのフィロソフィーから方向性のヒントを得ました。COTEN RADIOは「歴史の情報を提供するサービス」だけだとユーザーが自分に何が起きるのかがわかりにくいですが、「自分の生き方を自分で選択できる時代に、人類に今必要なのはメタ認知である」「世界史を通じてメタ認知のきっかけを提供する」というように、メタ認知というキーワードを使って歴史を通じて何が起きるのかを言語化しているんですよね。

▼参考:COTENの想い | 株式会社COTEN ※外部サイト

田島歴史を提供する「How」だけでなく、なぜ歴史が必要なのかという「Why」が表現されている。そう考えると「学び」という言葉は単なる行為を示すだけで、「Why」ではない。そこから「探究」という言葉に行き着いたんですが、次に「探究とは何か」という新たな議論が始まりました。

探究は楽しいだけではない。わかりやすさ・生活感を追求することでこぼれ落ちていた表現

「探究とは何か」という問いからどのようにまとめていったのでしょうか?

田島最初に私が書き出した探究の定義には、知ることで世界を見るレンズが変わる、生活と地続き、遊びによって世界の感じ方が少し変わる、といった日常生活から学びにつながっていくという内容が多かったです。最終的に採用はしませんでしたが、個人的には「自転車に乗って冒険して、まだ知らない街を知る。天体望遠鏡で星を観察して、宇宙の大きさを知る。 理論や学術知見は、そんな、世界をちがって見せてくれる「遊び道具」になると思うのです。」という表現が好きでしたね。

大久保当初は探究のハードルを下げる、探究は「遊び」みたいなもので、難しいことばかり伝えているメディアではないということを意識して書いていました。ただ、それだけだとこぼれ落ちているものがありそうだったので、安斎さんに「探究とは何か」を改めて聞いたところ、細かく書き出してくれて、それをもとに表現できている部分、できてない部分を振り分けながら、足りないところを追加していくことで収束に向かっていきました。

吉田一度まとめた時点では日常のアクションやモチーフ、例えば、料理している人や自転車に乗る人、本を読む人などを入れて、明るくポジティブな側面を強調したものでした。その時点で、ある程度納得していたのですが、ミナベさんから「それだけじゃないよね」というフィードバックをもらい、探究を表層的に扱っていたのではないかと考え始めました。

イメージボード

吉田安斎さんもVoicyやSNSで「探究は楽しい」と言っていますが、それだけではなくもっと深い意味を持たせています。様々な表現がありますが、例えば釣り糸を垂らし続ける、粘り強く言葉を紡ぎ続ける、過酷でエキサイティングな営み、多様なレンズをダイナミックに交錯させることで、世界の大きな問いに立ち向かうことができることだと。だから、共同体やみんなで「楽しさ」以外にも対峙する必要があると言っているんですよね。

そういう意味で、探究はもっと多面的なはずなのに、わかりやすさを追求するあまり、画一的な表現になっていることに気づきました。プレイフルさや遊びの要素が前面に出て明るくポップな印象になっていて、命の輝きというか、魂みたいな本質的な部分は十分に表現しきれてなかったんですよね。

ビジュアルはどのように進めていったんですか?

吉田開始直後はムードボードを作成し、リニューアルプロジェクトメンバー以外のCULTIBASEに関わる人たちも交えながら「これは違うね」「これはいいね」「これはCULTIBASEっぽくない」といった意見を出し合いました。

初期は「土壌」というキーワード、そのあとに「レンズ」が出てきて、わからなさを色々な角度から見ている表現がいいという話になりました。そこから、先ほどの生活に通じるメタファーなども取り入れて、土壌、地層、人、植物や微生物も入れたいという方向性が固まりました。議論を重ねる中で「これまで地層を見ていたけど、この地層で育った人たちがどうなるのか」といった、上から俯瞰的に世界観を捉えたいという点も出てきました。

田島レンズの話は、例えば同じシマウマでも見る人によって認識が変わるんですよね。動物学者にとっては哺乳類、ライオンにとっては獲物、観光客にとっては観光資源、というように。ひとつのものでも、置かれている状況や見る人によって意味が変わる、これをレンズというキーワードから表現したいと話していました。

吉田なので、ビジュアルに色々なモチーフを入れるだけでなく、絵柄を変えたり、モチーフを重ねたりすることで、多様なレンズによる対象の変化を表現しています。

様々なモチーフを取り入れたムードボード

吉田田島さんから「偏愛」や「衝動」について伺い、自身が「つい突き動かされてしまうこと」や「駆動させるもの」を表現に込めているという話をしまして。探究がすごくノッてるときって自分が動いているのか、動かされているのか分からなくなるような感じあるよなぁみたいな部分を、表現としていれているつもりです。

つくって壊すプロセスを繰り返したからこそ、探究に対する自分なりの理解や解釈が深まった

プロジェクトの中でコピーもビジュアルもつくってフィードバックを受け、壊して直すというスクラップアンドビルドの過程が頻繁に繰り返されていたと思いますが、どのような点が大変でしたか?

田島 完成するまでは何がどうなればいいのか、ずっとわからないまま進んでいて、大変でしたし、かなり難しかったです。単純なことを表現しようとしているわけではないので、常に「どういう状態になったら表現しきれているんだろう」という不安や疑問が常に頭にありました。なので、つくりながら壊していて「ちょっと明るすぎる」とか「遊びの要素が強すぎる」という観点は手を動かしながら進めたからこそわかったことだと思います。

「探究」を単に理解するだけでなくそれぞれが自分なりの解釈をしないと、本当の意味で表現しきれない。つくりながら、自分のなかでも理解や解釈が深まっていきました。

吉田田島さんが言うように、探究という言葉自体はあったんですけど、表現したい探究の様を自分自身でも捉えきれない中で、どうやって表現するか探索する期間が続いたときは辛かったですね。目の前に置いてみないとわからないので、つくって壊してを繰り返していました。

大久保言葉を出してフィードバックをもらって書き直してという作業は普段からやっているので、そこまで特別大変ではありませんでした。でも、難しかったのはみんなが考えていることがちょっとずつ違っていたりしたことですね。フィードバックをそのまま全部反映すると、他の所が気になりだしたりして。コピーライターである自分が納得・共感できる文章にしたいという気持ちも強かったです。

「わからないことだらけの世界を、もっと楽しむために。」

ゴールの見えない大変さもあったとのことですが、その中でも楽しんでいた瞬間はありましたか?

田島吉田さんはプロセスに自分以外の誰かを巻き込んだり、それによって自分の想像から逸脱したときに楽しそうにされているなと思います。完成したVIを用いて社内で対話型鑑賞のワークショップをやったときも、自分が想定していなかった意味づけがされたときに嬉しそうにしていたなと。自分がつくったクリエイティブがどのように捉えられるのかに興味があって楽しいんだろうなと思いましたね。

大久保吉田さんが取り組んでいた、色々な作風を混ぜる描き方は難しくて大変なことだと思いますが、時間も限られてる中で「やると決めたとき」に楽しんでいるというか、決意をしたのだなと思いました。

田島さんは、僕らが出したものに対してモヤモヤを気が済むまで出すことによって、自分が大切にしていることや、探究観が明らかになっていくのが楽しそうだなと思っていました。

吉田大久保さんのコピーに対して色々な人が「もっとこうしたらいいんじゃないか」「これ違うんじゃないか」というのを話して、大久保さんが紡ぎ直していく中でみんなの認識が少しずつ合い始めたことがあって、そういう軌道に入ったときに楽しかったのかなと思います。

田島さんはずっと楽しそうで、逆にテンション下がってることもあまりないなと。田島さんが本当に細かい言葉尻に対して「これは本当にユーザーにとって理解できる言葉なのか」と常に問いかけていた、こだわっていた印象があります。

田島さんは「CULTIBASEをどうしたいか」という運営の視点だけではなく、誰よりもユーザーの視点を持ち続けていたということですね。想いを言語化することと、どう伝えるかは異なるので、その両立は難しかったのではないかなと。

吉田印象的なエピソードが一つあります。途中までCOOの原さんたちとはテキストでの共有で進めていましたが、原さんから「何か違うかも」というフィードバックを受けたときに、田島さんが何が違うのかちゃんと言ってくださいというのを長文の返信で送っていて、なんか熱いなぁと思いました。本当に思ってることが垣間見えたというか、本当にCULTIBASEを考えてる、夢中になっていると感じて、それが僕は嬉しかったですね。

田島その後、原さんとはテキストでもオンラインでもお話しする機会があって、同じ方向を向いていると確認できました。

最後に、これからCULTIBASEをどのような場にしていきたいですか?

吉田CULTIBASEには一人ではできないこと、多様な人がいるからこそできることが詰まっています。探究テーマをまだ持っていない、そもそも何していいかわからない方でも、一回飛び込んでもらう、訪れてもらって、触発される何かがあったらいいなと思っています。

大久保自分もMIMIGURIで働いていながら組織や事業にすごく興味があるというわけでもなくて、とにかく人を楽しませることが好きなんですよね。今回、ボディコピーにエンターテインメントという言葉を入れたのは、僕がそれに一番興味があるからなんです。なので、一見自分は関係なさそうと感じる方にも来てもらって、そこからCULTIBASEというレンズを通して、思ってもいなかったところに、視野が広がったり違うことが見えたりするきっかけが生まれていくといいなと思いますね。

田島もちろん組織に興味がある方や、特定の目的を持ってきてくださる方、安斎さんが掲げる「冒険的世界」や「問いのデザイン」などに興味を持って来てくださる方にも楽しんでいただきたいですし、単純に「楽しそう」と思って来た方や何かのきっかけで一つのコンテンツを見るためだけに来た方たちにも、「わからないことだらけの世界を楽しむ」という探究の感覚、全く別の領域にも面白さを発見する経験をしてもらえたらいいなと思います。

コンテンツを見る方だけでなく、私たちつくる側もレンズを変えていって、新しいものを創造していける場になっていくといいなと。大久保さんの「エンターテインメント」という言葉を取り入れたのも、新しい要素を入れたいという意図がありました。

私たちもこのプロジェクトを進める中でわからないことだらけでしたが、楽しみながら本音を語り合うことで形になりました。CULTIBASEをみる方もわからないことを楽しみ、想いが加わって変化していけるといいなと思います。

  • PR / Marketing

    二宮みさき

  • Writer

    とやまゆか