となりのラジオ 第3回 | Guest: 川越二郎さん・鈴木智子さん(デロイト トーマツ グループ合同会社)

Guest :
和泉裕之HR
戸田真梨子HR
  • 和泉裕之

    HR

  • 戸田真梨子

    HR

  • 日本赤十字看護大学卒業。在学時より対話やワークショップに関心を持ち、看護師・保健師の国家資格取得後、フリーランスのファシリテーターとして独立。医療職対象の対話型ワークショップを病院や薬局などで多数実践後、株式会社ミミクリデザインの立ち上げに参画。コンサルティング事業部のマネージャーとして、少人数~数万人規模の組織開発・人材開発プロジェクトに従事。現在は株式会社MIMIGURIの組織人事として、社内放送局「MIMIGURI ch」の総合プロデューサーを担当。

  • エンジニア/営業/Webディレクターを経験した後、人事へ。創業/拡大期のクリエイティブ/エンジニア職の採用、理念開発、組織開発、人材育成などの施策を企画/推進。その後、合併に伴い理念戦略/人事評価制度の策定、組織統合などPMIプロジェクトを担当。MIMIGURIでは人事・広報の領域を担当。人の才能/ポテンシャルに触れることが好きで、組織/チームの創造性が発揮される環境や仕組み作りについて探究している。

デロイト トーマツ グループ2万人に配信される動画社内報『Dot TV』

  • グループ内の2万人の社員に向けて、月1ペースで15分から20分程度の動画社内報『Dot TV』が配信されている。これは、グループ経営に舵を切ったタイミングで、通常のメールマガジンなどと並行して、社員の関心や興味を引き付ける新しい形のコミュニケーションツールとして2018年に開始された。
  • 社内リスナーの声を拾いながらブラッシュアップを続けた結果、「社内報アワード2022」動画社内報部門でゴールド賞を受賞した。
  • 現在は社内のメンバーだけでなく、アルムナイも配信を閲覧できる。

グループの一体感醸成へ。視聴者の声とニーズでブラッシュアップされた番組内容

  • 「メンバーに観てもらえる番組」を目指し、単に会社が伝えたい情報だけではなく、メンバーに会社や他の部門、経営陣を身近に感じてもらえるようなコンテンツを放送している。
  • 親しみを感じてもらうために「Dotton(ドットン)」という公式キャラクターも作成した。Dottonは、とがった鼻で情報をいち早く察知し、様々な困難を両手でかき分けつかみ取る、という意味が込められたモグラのキャラクター。
  • 現在番組では、毎回3〜6つ程度のトピックを扱っている。具体的には、グループ内の重要な出来事をピックアップしたり、マネジメントメンバーや経営陣のインタビュー、日常生活に転がってるような素朴な疑問についてグループ内の専門家に知見を聞いたり(グループ内のタレントの幅広さに加え、グループと社会とのつながり、社会へのインパクトを感じてもらう)、創業の歴史を紐解くコンテンツを特集として組むこともある。例えば経営者の話などであっても、カジュアルな質問から、ゲストの人となりに興味を持ってもらえるようにするなど、伝え方に工夫をしている。
  • より多くのメンバーに閲覧してもらえるよう、グループ全体のトピックをまんべんなく扱ったり、閲覧者が少ない部門の方にキャスターやゲストとして出演してもらうことを意識している。出演者探しが社内のタレント発掘にも繋がっている。

得られた意外な経営観点での価値と、他国まで広がる副次効果

  • 視聴者アンケートで効果・反響測定を実施してるが、「本当に会社のことが好きになった」「会社に誇りをもてた」などの声も多数ある。また、「ミッションやバリューなど、抽象的なスローガンだけ知っていても腹落ちしにくいが、それらの具体的事例やエピソードもセットで聞けると、より実感を持ちやすい」という声もあり、頭や字面では理解できても実感が伴いづらい抽象的なテーマについて実感しやすくする作用があることが分かった。
  • 施策の短期的な効果測定に加え、中長期的な効果を期待している。社内や単体で効果を捉えるだけではなく、広く捉える、価値循環を意識することが重要である。
  • 『Dot TV』は情報の伝達だけでなく、社員のモチベーション向上や会社へのエンゲージメント強化、グループ全体の一体感を高めるもの。さらに、動画撮影や編集のノウハウが貯まる「ケイパビリティ強化」や、取材で得られた写真や動画が会社の資産になる「ライブラリー機能」も果たしている。
  • 粘り強く配信を続けることで、部門側から番組に出演したいという声がかかるようになったり、アジアパシフィック(AP)圏でも実施したいという声が上がり、実際に、『AP TV』が誕生した。

大きな会社で動画施策を進化させ、浸透させるために

  • まずは作る人自身が楽しむことが大切。そして、誰でも知っているキーマンに出てもらい収録を楽しんでもらうことで、社内のメンバーの協力を仰げる雰囲気を作ることが重要。より多くの人を巻き込み、番組の価値やメリットを感じてもらったことで、メンバーからのリピート出演の依頼も増えた。
  • 番組を真面目な内容にしてしまえば安全ではあるが、面白みを出すためには、どこまでが許容されるかが重要であるため、会社として許容できる表現や内容のラインを見極めながら、リスナーが「また観たい」と思う面白さのバランスを探っている。
  • 今後は、まだ多くの人が知らない社内の面白い仕事を発掘したり、さまざまなメンバーのアイデアが集まる「新規事業創出のプラットフォーム」になったら面白いと考えている。また、社外広報のツールとしても活用の方向性を検討していきたい。