オンライン組織での言語化とアジャイル

Guest :
渡邉貴大ファシリテーター
根本紘利プロジェクトマネージャー
小澤美里CCO
  • 渡邉貴大

    ファシリテーター

  • 根本紘利

    プロジェクトマネージャー

  • 小澤美里

    CCO

  • 早稲田大学商学部卒業。規模/業態の異なる複数の組織において、人事やコンサルタントとして業務に従事。チェンジ・エージェントとして組織変革のファシリテーションを実践してきた。MIMIGURIでは個人と組織が自らの「story writer」となり、自分や自分たちの物語を紡ぐ機会を演出する組織・事業開発、イノベーションプロジェクトのPMとファシリテーションを担当している。

  • ECコンサルティング業デザイナー→アパレル小売業Webマスター→在京民放テレビ局番組Webサイト制作・運用→地域商社プロジェクトマネージャー→Slerプロデューサーを経てMIMIGURI(旧DONGURI)に入社。 クライアントワークの開発プロジェクトにおける設計や進行に加え、組織開発・推進のプロジェクトに従事し、自社ではプロジェクトマネジメントの体系化と組織浸透を目指し、全社プロジェクト品質の底上げやアジャイル推進を進めている。

  • 京都工芸繊維大学工芸学部、グロービス経営大学院経営研究科卒。グラフィックデザイナー、webデザイナー、ディレクターを経てブランディング、デザインを主とし起業(共同経営)。その後webサイト制作・システム開発会社にて執行役員・COO/CDOを務め、デザインプロセスを用いて経営課題の解決に取り組む。2022年8月株式会社MIMIGURIに入社。2022年9月に執行役員CCOに就任。

  • MIMIGURIのPodcast「ミグキャス」の番組『MIMIGURIの談話室』。この番組では、日々の活動で得た知見を汎用化すべく、メンバー同士の生煮えの対話をお送りする。
  • 今回は、渡邉貴大、根本紘利、小澤美里の3名が、アジャイルなオンライン組織運営のための、言語化文化についてお話しする。

オンライン組織における、言語化の重要性

  • MIMIGURIはオンライン組織であり、渡邉は福岡、根本は秋田、小澤は大阪からリモートワークをしている。
  • オンライン組織では前提を合わせるための言語化が重視される。オンライン組織では、なんとなく雰囲気が共有できている、という状態が存在しないと小澤は語る。そのため、自分が何を考え、何をしようとしているかを言語化し見える場所に開かなければ、互いに全体像がつかめず連携が取りづらくなってしまう。
  • 連携をとるために闇雲にミーティングを増やす事例もあるが、ミーティングで1日が終わってしまうような事態にもなりかねない。一方で、ドキュメントにすべての情報や考えを書き残すことも難しい。
  • 時間が限られるなかでは、ドキュメントの質や強弱も大切だと根本は言う。網羅的なログだけでなく、パッと見て理解できるサマリーや次に話すべきことなど、最適な形式を取ることが、議論や対話の立脚点につながるポイントだ。

アジャイルに進めやすくする、言語化のチカラ

  • これまで言語化が大事だと思いつつ、ここまで仕事のスピードに直結すると思っていなかった、と小澤。前提として、合議制ではなく、対話を前提としたアジャイルな進め方を重視するMIMIGURIの環境もありそうだ。
  • 全員が集まり合意形成をしていると、問い直しが起こるたびにそれを繰り返さなければならず膨大なコストがかかり続ける。MIMIGURIでは、誰がボールを持ち、何を考えて(= Why)、何をしようとしているのか(= How)をまとまって見られる状況にあるため、スムーズに前提認識を合わせて、価値を積み上げていくことができる。
  • また、プロダクト開発で用いるような仕様書、ロードマップ、バックログを、経営や事業運営、組織運営、クライアントワークにおいても作成し目線を合わせている。チームがどこに向かい、目指す成果は何で、その目的は、と言うことをまとめている。
  • 小澤はそれを、職能組織に対して実践している。組織のミッション・ビジョン、どんな価値提供をするか、具体的にどんな取り組みをするかを仕様書として言語化し、分かち合う。例えば、広報活動では複数のスモールチームが連携するが、各チームで仕様書を開いておくことで連携しやすくなる。
  • 根本はマネージャー同士が、全社施策の目線合わせをする際に活用している事例を紹介。会社、自部門、他部門それぞれの前提をNotionにまとめ、非同期にコメント上で対話しながら目線を合わせている。Notionのコメントでの連携はMIMIGURIでは定着しており、これによって非同期なオンライン組織でもスムーズな運営ができている。

言語化による、リフレクションとアップデート

  • 渡邉が面白いと感じているのが、個人の景色をドキュメント化している事例だ。MIMIGURIでは、誰に言われるでもなく、自身が感じたモヤモヤや嬉しいことを言語化し、フィードバックを送り合う文化がある。
  • 人によって程度の差があるが、根付いている実感はあると根本。オンライン組織だと自分の殻にこもりやすくメタ認知がしづらくなる。そのため、他者の視点を習慣として取り入れ、アップデートすることを好む人は多い。
  • 組織や事業運営でも同様に、各チームが認識を閉じずにフィードバックし合うことで、クロスファンクショナルな動き方が実現しやすくなる。個人にとっても組織にとっても、言語化は活動を推進するチカラになっている。
  • よりお互いが見えやすい環境に改善しながら、さらに触発しあえる状態を目指したい。