看護学に見る「支え手をささえる」場づくり(前編)
- Guest :
- 和泉 裕之(HR)
和泉 裕之
HR
日本赤十字看護大学卒業。在学時より対話やワークショップに関心を持ち、看護師・保健師の国家資格取得後、フリーランスのファシリテーターとして独立。医療職対象の対話型ワークショップを病院や薬局などで多数実践後、株式会社ミミクリデザインの立ち上げに参画。コンサルティング事業部のマネージャーとして、少人数~数万人規模の組織開発・人材開発プロジェクトに従事。現在は株式会社MIMIGURIの組織人事として、社内放送局「MIMIGURI ch」の総合プロデューサーを担当。
- このポッドキャストでは、株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEOであるミナベトモミをファシリテーターとして、MIMIGURIのメンバーやマネージャーをゲストに迎えて普段の業務やキャリアについてディスカッションしていきます。
- 第6回のゲストは、MIMIGURIのマネージャー・組織人事である和泉裕之です。
これまでのキャリアと組織人事の面白さについて
- 現在MIMIGURIでは2つのチームを兼務している和泉。1つはクライアントの課題解決・価値創造を担うチーム(Facilitation ドメイン)、もう1つは社内の組織開発・人材育成を担うチーム(Organization ドメイン)だ[編集注:2021年9月に部署移動し、専任の組織人事に就任]。
- MIMIGURI Co-CEOである安斎とは、8年もの付き合いになる。そこで培ったスキルを武器に、社外でも社内でもファシリテーターの役割を担うことが多い。
- 同じファシリテーションでも「社内の方が難しい」と言う和泉。ファシリテーションのプロであるメンバーから見られているから、というだけではなく、社内では自身が当事者であるために「正論をズバッと言えばいいわけではない」難しさがある。
- しかし、社内の組織開発・人材育成では、他ではできないような、数年間に渡って当事者としてプロジェクトに関わるという経験ができる。自分自身が1人でコンサルをするのに比べて、他のメンバーが気持ちよく働けてポテンシャルを伸ばせる土壌を耕すことは、よりインパクトがある。「だから社内は面白い」と和泉は語る。
ミナベとの出会いと人事としての思い
- MIMIGURIが合併・資本提携をする数年前。旧Mimicry Designで案件の楽しさにハマり「もっと自分でいい案件を作れるようになりたい」と意気込んでいた和泉に、当時DONGURI CEOだったミナベは「数年すると、その欲は無くなるかも」と言った。
- 当時は経験を積むために、既成プログラムをやるのではなく、0からワークショップを作るプロジェクトが多かった。もちろん、立ち入ってない領域やトレーニングしなければいけないことはまだまだあるが、もともと場をつくるのが好きだったこともあって「メンバーが楽しそうにしてるのが楽しい」と思うことが増え、組織人事を兼任するに至る。
ファシリテーション、そして師匠・安斎との出会い
- 安斎と出会ったのは、大学生の時だ。インターンをしていた人材系ベンチャー企業で「ファシリテーション」という言葉と出会った和泉。より理論的に学ぼうと、安斎が関わっていた大学生向けのワークショップ講座(FLEDGE)に参加したのがきっかけだ。
- そうして、歴史や理論を学んでワークショップの奥深さを知り「人生を賭ける価値があると思った」と和泉は言う。
- 当時看護大学に在籍していたが、それも人に興味があったからだった。人が、生まれてから死ぬまでにどういうプロセスをたどり、どういう葛藤を乗り越えていくのか。「そもそも人間とは何か」を探究する看護学に惹かれたのだ。
- 確かに、看護師が実際にやってることは、病院で患者さんをケアすることだ。しかしその裏には、「患者さんがどういう人生を歩んでいきたいと思っているか」ということや現状を把握し、その差分を埋めるためにどうすればその人の強みやポテンシャルが生かされるような関わりができるか、と考えなければならない。看護師は、医療分野のファシリテーターだとも言える。
- そして、「支え手」である看護師や福祉・介護の従事者たちを、そのさらに後ろでどうにか支えられないか、という思いが和泉の原動力だ。フィールドと対象が変わった今も、和泉の根本的な思想は看護学にある。
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