本田技研工業:「第二の創業」を加速させる組織変革。企業文化の「ワイガヤ」を進化させた探究創造プログラム「Minerva」の始動
Point
- 企業文化「ワイガヤ」を現代的に再解釈し、組織のDNAを進化させる探究創造プログラムの設計
- 社外パートナーとの連携により、未知のフィールドで感性を磨き、本質的な問いを深める越境学習の設計
- 多様なステークホルダーのハブとなり、前例のないプロジェクトの推進力を担保する伴走支援
- 組織変革のメッセージを高い純度で可視化し、社内外への浸透を加速させるクリエイティブディレクション
概要
「第二の創業期」を掲げる本田技研工業(以下、ホンダ)。その変革を象徴する新たな挑戦として立ち上がったのが「Minerva(ミネルヴァ)」です。本プロジェクトは、ホンダの伝統的な組織文化「ワイガヤ」を現代的に再解釈し、次世代を担う「探索型人材」の育成を通じて、組織文化そのものの変革を目指す取り組みです。MIMIGURIは本プロジェクトにおいて、全体設計から前例のないプログラム運営の伴走、そして最終発表会のクリエイティブディレクションまで総合的に支援を行いました。社外の探究パートナーとの連携によるフィールドワークの実施と、感性を磨き本質的な問いに向き合うプロセスを通じて、変革に向けた土壌づくりに取り組みました。
お知らせ
2026年2月5日(木)から7日(土)に、Minerva第2期の成果発表会として、『 と、 と、 と展 -Hondaと考える”人と技術の関係性”』を開催します。
詳細は本記事後半または下記URLからご確認ください。
ホンダ トピックス:https://global.honda/jp/topics/2026/c_2026-01-08.html
イベント公式ウェブサイト:https://www.spiral.co.jp/topics/to-to-to
PROBLEM
ホンダは、100年に1度とも言われるモビリティ業界の大変革期に直面し、「世の中から“存在を期待され続ける会社”であり続けられるか」という問いと向き合っていました。そこで核心的な課題となっているのが「人材育成のあり方」です。これまでホンダは製造業ならではの現場での改善や既存領域での高品質なものづくりに強みを持っていました。
しかし、劇的かつ急速な変化を伴う現代においては、この強みを維持するだけでは不十分です。型にはまらない視点や思考で、ホンダが提供するべき価値を探索する必要性を感じていました。一方、既存システムの慣性も働く中、「改善」と「探索」による両利きの経営を実現していくことは容易ではありません。伝統的な強みを否定することなく、新しい価値を生み出す「探索型人材」をいかに育むか。そして、個人の成長をどうやって組織全体の創造的な文化構築へと接続させるか。これらの課題に取り組むことが急務となっていました。
APPROACH
フェーズ1:要件定義およびコンセプトと目標の設定(3ヶ月)
2023年6月にプロジェクトをキックオフし、現状の課題抽出と理想像の策定に着手。管理職や既存の人材育成プログラムの参加者にむけたアンケートや座談会を実施した後、組織変革の必要性と、理想的な組織像を分かち合うためのワークショップを実施しました。
ここで得られたインサイトを基に、プロジェクト全体のコンセプトと目標を設定。さらに、前例のないプログラム運営を円滑に進めるべく、推進プロセスの策定および継続的な伴走支援体制を構築しました。
フェーズ2:プログラムの具体化(8ヶ月)
次に、目指すビジョンの実現に向けたプログラムの具体化とロードマップの作成に着手。プログラムは、下記の3ステップで進めることに決定しました。
- 知る — 日常を離れ、未知の世界で新たな感性と出会う。
- 闘う — 新たな感性を持ち寄り、仲間と議論し、ときに意見をぶつけ合いながら深めていく。(ワイガヤ)
- 創る — 磨き上げた感性をもとに、新たな価値を生み出し、日常に新しい視点を持ち込む。
上記のステップになぞらえ、ローマ神話で「知恵・闘い・工芸や芸術」を司る女神「ミネルヴァ」にちなんで、本プログラムを「Minerva」と名づけました。
さらに、第1期が取り組むテーマを「自由な移動の喜びを定義し、表現せよ」に決定しました。軽井沢風越学園、Deep Care Lab、罠ブラザーズといったユニークな社外の探究パートナーとの連携を開始し、この問いに対して、4つの異なるアプローチを持つコースを設けました。
MIMIGURIは、全体のロードマップ策定から、Minerva哲学の言語化、異なる専門性を持つパートナー間のハブ機能、評価基準の策定など、複雑化するプロジェクトに総合的に伴走しました。
フェーズ3:探究創造プログラム「Minerva」の実施(6ヶ月)
選抜された13チーム・55名の参加者は、各コースで探究パートナーと共に未知なるフィールドに繰り出し、感性を磨き、自分自身の骨格となる価値観があぶりだされるような経験を積みました。
日常の業務からは想像もつかない「飛び地」でのフィールドワークと、その経験を糧とし、自分自身と向き合い、プログラムの問いに繋げていく。そんな営みを通じて、「自由な移動の喜び」の本質に迫り、新たな発見を共有してきました。
MIMIGURIは各チームへのメンタリングおよび中間発表の設計を通じ、思考の深化を支援しました。
フェーズ4:第1期最終発表会の実施と振り返り(4ヶ月)
第1期の集大成として、東京・青山の「スパイラル」にて最終成果発表会を開催しました。MIMIGURIは企画運営に加え、『 から、 へ。展』というコンセプト策定および空間設計・クリエイティブ制作を担当しました。
難解になりがちな組織変革の取り組みを、キャッチーかつ本質的なクリエイティブとしてアウトプットすることで、社内外へのメッセージ伝達の純度と速度を高め、プロジェクトの成果がより広く、遠くまで届くよう意図して制作を行いました。
Minerva第1期終了後は、第2期以降の実施に向けた振り返りと引き継ぎを実施しました。
フェーズ5:第1期から第2 期へ(11ヶ月~)
2025年2月から、Minerva第2期実施にむけたプロジェクトがキックオフしました。第1期の成果と課題を踏まえ、持続的な人材育成・組織文化変革に繋がるよう、第2期に向けたプログラムのアップデートと伴走支援を行いました。
RESULT
第1期の最終発表会では、半年間の試行錯誤のプロセス(葛藤や発見)が、展示と参加者自身の言葉によって熱量高く語られ、来場者と深い対話が生まれる光景が会場の各所で見られました。来場したベテラン社員や管理職からは、「昔のホンダの熱気が戻ってきたようだ」「こんなに活き活きとした従業員の顔を見るのは久しぶりだ」という声が寄せられました。コンセプトに掲げた「真のワイガヤを取り戻す」という組織文化の変容が確かな手応えとして確認されました。
現在は、Minerva修了生が現場でリーダーシップを発揮し、新規事業や組織変革の触媒となるよう、効果検証を続けながら第2期以降の実施に動いています。第2期 Minervaの最終発表会は下記の通り予定しております。ホンダの新たな挑戦の息吹を感じに、ぜひ足をお運びください。
お知らせ
2026年2月5日(木)から7日(土)に、Minerva第2期の成果発表会として、『 と、 と、 と展 -Hondaと考える”人と技術の関係性”』を開催します。第2期となる今年は「技術は人のために」というHondaが創業以来大切にしている普遍的な想い、「“人と技術の関係性”を考えよ」をテーマに、「狩猟」、「水とケア」、「つくる」の異なる3つの観点を切り口に、9チーム39名が探究を行いました。本展は、2025年8月から約6か月半にわたる活動の成果を社内外に発表する場として開催します。
テーマである「人と技術の関係性」について、参加者が自分のレンズを通して、新たな価値観に出会い、葛藤しながら取り組んできた活動の成果の展示に加え、4つのトークセッションを実施します。ぜひお気軽にご参加ください。
開催日:2026年2月5日(木)~7日(土)
開催時間:11:00~20:00(7日のみ一部17:30まで)
開催会場:スパイラルホール(スパイラル 3F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
主催:本田技研工業株式会社
参加料:無料(事前申し込み不要。一般の方もご入場いただけます)
内容:
・プログラムに参加した各チームの発表/展示
・トークセッション(事前申し込み不要)
詳細はこちらをご確認ください。
ホンダ トピックス:https://global.honda/jp/topics/2026/c_2026-01-08.html
イベント公式ウェブサイト:https://www.spiral.co.jp/topics/to-to-to
Project Owner(phase2~)
押田 一平
Project Owner(phase1)/Consultant
德田 行伸
Project Management Officer(~phase4)
明間 隆
Project Manager/Facilitator(~phase4)
山里 晴香、劉 亦天、大野 将輝
Project Manager/Facilitator(phase5~)
酒井 美加子、山本 賢
Facilitator(phase1)
猫田 耳子
Design Strategist
小田 裕和
Creative Director/Designer
今市 達也
Copy Writer/Creative Director/Sound Designer
大久保 潤也
Designer
五味 利浩、中園 英樹
Medium Designer
志田 雅美
Researcher
東南 裕美
[外部パートナー] Video Director
阿部 圭佑(KA~VO)
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