コンサルとデザイナーが同じチームで働く理由。MIMIGURIのユニットコミュニティ制の挑戦と、ユニコム6の #冒険的キャリア Vol.2
明間 隆
プロジェクトファシリテーター
徳田行伸
コンサルタント/ストラテジックプランナー
長岡造形大学卒業。グラフィックデザインから、Webデザイン、ローカルブランディングに転向。サービスデザイン/プロセスデザイン/プロジェクトマネジメントを基軸に、ステークホルダーが創意工夫してものづくりに参加できるプロセスを探究している
兵庫県立大学経営学部卒。兵庫県立大学非常勤講師。在学中に起業し美大・芸大生のビジネスキャリア開発事業を開始。卒業後、株式会社エス・エム・エスの介護キャリア事業に従事。独立後は株式会社CARVANCL(カーバンクル)代表取締役に就任し、制作事業・クリエイターのキャリア開発事業・地方創生事業を開始。また複数のスタートアップで取締役とコミュニケーション戦略責任者を担当し、UX戦略設計やセールス組織の開発を行う。 構造的なコミュニケーション戦略設計からブランドを開発することを目指し、Xi(エクスペリエンス・アイデンティティ)の探究を行っている。
MIMIGURIは組織や経営に対する深い洞察と専門知を持つコンサルティングファームとして、コンサルタントをはじめ、ファシリテーター、PM、デザイナーなどの幅広い職種のメンバーが在籍しています。
コンサルティング事業部とファシリテーション組織では、2023年9月以降、ユニット・コミュニティ(以下、ユニコム)という5〜10人ほどのチームを作り、事業マネジメントを担う「事業リード」と組織マネジメントを担う「コミュニティリード」という2人のリード(マネージャー)が協働をしながら、「ヒト」と「コト」に共に向き合っています。
本記事では、ユニコム6の事業リードを担う徳田行伸さん、コミュニティリード(以下、コミュリード)を担う明間隆さんにユニコム6の特徴や、チームで働く理由を伺いました。記事の最後には、ユニコム6のメンバーからのコメントも掲載しています。ぜひ最後までお読みください。
聞き手:二宮みさき
デザイナーとコンサルタント。共通言語はあるのだろうかと感じた初対面
──まずは自己紹介とMIMIGURIと出会ったきっかけを教えてください。
明間 地元・新潟の長岡造形大学でグラフィックデザインや写真を学び、卒業後は東京の制作会社に就職しました。しばらくして新潟にUターンをし、Web制作会社、ローカルブランディングに関わるデザイン事務所を経て、2021年からMIMIGURIで働いています。
大学時代はグラフィックデザインや写真を専攻しながら卒業研究ではWebの制作をし、就職後も約3年ごとにキャリアチェンジするような、デザインを軸にしつつマルチに何かを作るようなタイプの人間です。
MIMIGURIは、確かPodcast(idearium)で合併前のDONGURIの時期に知りました。前職でサービスデザイナーとして働き始め、ファシリテーションをする場面が増えたのでファシリテーションを学ぶことをきっかけに聞き始めました。
徳田 僕も入社は2021年の8月で、ほぼ明間さんと同時期です。ただ実はその前から、前職を通してDONGURIの仕事を受けていて、それが2020年くらいですかね。前職は取締役でしたし、とてもお世話になった縁もあり、1年くらいかけ組織を整理してからMIMIGURIに正式に入社しました。
現在は個人の会社も持っていて、個人コンサルや家族の経営する事業の母体として経営もしています。
──お互いの第一印象はいかがでしたか?
明間 徳田さんはすごくロジカルで要点を掴んで話されるイメージですね。頭の回転が速い人なんだろうなと思っていました。その印象は今も変わらないですけれど。
丁寧な表現ではないかもしれませんが、これがコンサルタントなんだなというか……。正直にいうと、仲良くなれるだろうか、共通言語はあるだろうかと感じたのを覚えています。その後にお話をして、徳田さんのバックグラウンドを伺ったり、デザインへの理解がある方だとわかって今に至りますが、初見の印象はそんな感じでしたね(笑)。
徳田 明間さんは、今でこそ何かと突っ込んでくれる関係性ですが、最初は、奔放なのに真面目なインターフェイス(接し方・印象)で、アンバランスで面白いなと思っていました。
たまに想像できない行動をとるんですよ。それがすごく面白くて。みんなでいるのに一人でラーメンを食べに行ったり……。
明間 群馬でチームキャンプをした際に、一人で散歩をしたり美術館に行ったり、僕が単独行動をしていた話ですね。
徳田 いわゆる人に合わせるとか波風を立たせないとかではなく、自分に正直な人なんだなと感じて。明間さんはインターフェイスが丸く穏やかに感じるけれど、実は丸ではなく、はみ出ている部分があるギャップが面白いなと感じていました。
だからこそ、明間さんが「こんなの嫌だ」というような毒を吐いたり、もっとご自身の意思を言える状態になるといいなとも思っていました。
それぞれが越境し共にチームに向き合う、事業リードとコミュリードの役割とは
──2023年から「ユニコム6」として、徳田さんは事業リードを、明間さんはコミュリードを担っています。具体的にどういった役割分担をされていますか。
徳田 事業リードとしての役割は……、うーん、数字に悩まなくすることですかね。
目標が足りない・お金が足りない状態は、何かやりたいことがあっても出来ないですし、物事を必要以上にネガティブに捉えてしまいがちになってしまいます。そうならないために、ラクに良い成果が出る循環やスタイルをいかにつくれるか、を意識しています。まず前提として、全員が「目標数字に追われている」という状態にならないように、案件獲得数と提案の質にはこだわっています。その結果、収益的にも申し分なく、かつ自身やチームの衝動や探究に繋がるお仕事を主体的に選択できる状態をつくり、できるだけその状態を維持する、というのが理想ですね。
例えば、水道を引くというような、最低限の生活を維持することを担保する感覚です。
実はMIMIGURIのジョイン時から、できるだけ経営にもタッチしていきたいという意志がありました。そのため、他社ではマネージャーのポジションである「リード」についても漠然と早く任せて欲しいと考えていました。ただ、入社時から自分の中でリードという役割への認識は結構変わってきていて、今では「組織の中で大っぴらに"皆の人生の幸福を引き受ける"という役割を受け持つこと」が、リードを引き受けるという行為だと考えるようになりました。チームのメンバーの人生の幸福を一緒に考えること、そして相手のキャリアだけではない人生にも踏み込んでともに可能性を広げあっていくのは、純粋にワクワクする行為だなぁと感じています。
明間 コミュリードは一般論で言えば「人を見る」役割ですが、それだけではなく、学習する共同体として見るということと、コンサルティング案件におけるセールスとデリバリーのデリバリー部分も見ていますね。
ユニコム6で印象的だったのは、事業リードは事業性や新規顧客を見る感じだろうなと思っていた中で、徳田さんはチームの学習に対して眼差しが強く、初期からコミットメントがあったことです。
そういった徳田さんと一緒にチーム運営をする中で、僕が最も重要だと思っているのは、ちゃんと仕事ができる環境が整っているかという点ですね。稼げて事業の継続性があり、メンバー各々の素行に対してケアがされているか。MIMIGURIの仕事は、稼ぐだけではなく学ぶことも入ってくるので、「稼ぐ」ことと「学ぶ」ことのバランスをとりながら、さらに働くことって実は大変なので「健康」とのバランスも気をつけています。
だから人だけを見るというよりも、日々の職場環境に関して興味があって、チーム運営を行っています。
──ユニコム6の皆さんが「ちゃんと仕事ができる」環境を持ち続けるために、収益と学習のバランス、それに加えて個々人やご家庭の状況に応じて生活とのバランスをとっているということですね。そういった価値観は元からお持ちだったのでしょうか。
明間 MIMIGURI入ってからの変化だと思います。
働くことに関しての大雑把な興味はずっとありましたが、お金を稼ぐ(事業の継続性を考える)という軸も入れながら、成果も出して学び続けるバランスまで考えたのは、ユニコム6になってからが大きいです。
その前もMetroというPMのコミュニティ(チーム)でリードを担っていましたが、興味関心は技術熟達やプロジェクトの中での成果に比重がありました。今は、数字も成果も出しながら、健全に学ぶという視点で、複雑なテーマになってきたなっていう感じがしますね。
▼参考:Metroコミュニティ(チーム)について(2021年7月)
徳田 私が考え方の参考にしているハーバードの幸福学研究の本がありまして、この内容はユニコム6でも時々話しています。
▼参考:『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』ロバート・ウォールディンガー (著), マーク・シュルツ (著), 児島 修 (翻訳)
資産や住んでいる地域、富裕層か貧困層か、性別、年齢などを考慮し80年以上の追跡研究をした結果、幸福度が高い人はどういう人なのかという内容です。その研究結果として、人の幸福感を決めるのはたった一つの要因で、それは「人間関係」ということでした。属性を問わず、人間関係が良い人は幸福だし人間関係が悪い人は不幸せということです。そして、人間関係の変数は3つしかなく「パートナーも含めた家族」「友人」「職場」だそうです。
僕の解釈では、職場環境を良くできれば、少なくともその人の3分の1の幸福には貢献できる。だからこそまずそこに責任を持ちたいと思っていますし、同時にそれだけ貢献できるということは嬉しいなと感じています。
僕自身も様々な仕事を経て、人間関係が良いことが幸福感に与える影響度は、非常に大きいと感じてます。一緒に食事をしたい・お酒を飲みたいという、言ってしまえば仕事を抜きにして、友人としても眼の前の人と付き合いたい。例えば、僕は結婚式に出席するのが苦手なのですが、この人の結婚式なら行きたいなと思える人と働きたいです(笑)。誤解を生む表現かもしれませんが「同僚」と「友人」が同一ならば、幸福に対して効率的だなと。
さらに、職場の関係性や労務環境がよければ、家族に対しても時間をかけられます。そうすると幸福の3要素に対して、2枚抜き3枚抜きできるのではないか。明間さんとチームを作る中で良い関係性を築き続ければ、組織内のメンバーの幸福を2.5枚抜き出来て、そこに責任を持てるのは喜ばしいなと思います。
──事業リードは継続的な事業成果を、コミュリードは人間関係やメンバーのケアだけを担っているのではなく、双方が越境し、徳田さんは数字は達成しながらも幸福にも責任を持ち、コミュリードである明間さんは職場環境に目を向けながらも数字を意識する。お二人の関係性がバランス良く、お互いにフィットされているのですね。これまでどのような変遷があって、今のような形になったのでしょうか。
明間 結果的にバランスが良いのはその通りですが、初期からはバランスが変わった感覚があります。僕は、初期から半年ぐらいは徳田さんに甘えていたと思っていて……。徳田さんがビジョンを提示して、僕は実行することを自分の役割として徹底してやっていました。でも、冒頭にも徳田さんが言っていたように「明間さんはまだ何かあるやろ(笑)」ということを定期的に言ってくれていました。
初期は、スピード感を持って成果も出ていたんです。ビジョンを描く徳田さんと、それを実行する僕で、すごくハマっていました。でも、1年ぐらい経ってその限界がきた時期があって。そこからですかね、引っ張る徳田さん実現する僕ではなくて、今のような混ざり合っていく形になりました。
リードになって半年から1年ぐらいはストレッチする場面も多く、不安もあり、これでいいのかなと思っていました。その間の入社してから2年半ぐらいまでは、ずっと萎縮してたみたいな感じがありましたね。徳田さんとチームを運営して、関係性が変わってきたところで、自信が出てきたところがあるのかなと思います。
お互いに依存する関係から、成長し合える関係へ。自然に振る舞ってパフォーマンスが出る状態になるまで
──萎縮が取れた瞬間、ご自身にしていた蓋を開けたきっかけは何かあったのでしょうか。
明間 きっかけというよりは、徐々に試していったという感覚の方がリアルですね。僕にとってのハードルは、自分が思ったことや考えていることをそのまま出したことで事態が良くなるっていう経験がなかったことです。
ずっと徳田さんからもメンバーからも「もっと明間さんが示すもので進んで良いと思う」と言ってもらっていたんですよ。でも、あまりピンときていなくて。そうは言っても、やらなきゃいけないことがあるし、別にやりたいこともないと思っていました。
それでも徐々に、自分の感情や考えてることを場に出したんです。そうしたら、周囲から良い反応があったり、実際にチームが前に進めるっていう経験が増えて。繰り返すうちに、思いを出していいんだなと感じましたし、自分にも積み重ねた経験や、経験をきっかけにした自分なりの考えがあるなと気づきました。
関係性があって、心理的安全性が担保されている中だからこそ試すことができたのだと思います。僕が少し感情的なことを言ってしまっても、徳田さんやメンバーは冷静に受け止めてくれたし、ちゃんと返してくれました。だから萎縮せずに自然に振舞ってもパフォーマンスが出るようになりました。この「自然に振舞ってパフォーマンスが出る状態が良い」というのも初期から徳田さんが言っていて、チームの文化の中心にもあったので、自然に試せましたね。
徳田 明間さんの変化について「感情」と「探究」の2つのターニングポイントがあった気がしています。
感情っていうのは、何か僕のよくない振る舞いに対して「それは違うんじゃないですか」と、いわゆるちゃんと仕事をしていないように見えた際にアンテナを立たせて、速攻で言葉に出してくれました。明間さん自身が自分の感情のアンテナを認知されて、それを口に出すという部分の変化は感じましたね。
あとは、明間さんにとってプロジェクトファシリテーションが探究なんじゃないかと声を出したタイミングがあってそのときもターニングポイントだったなと思います。この二つを経て、自然な明間さんが出てきたのかなと思います。
──お互いがいるからこそ成長してここまで来れたという関係性ですね。
明間 そうですね、徳田さんじゃなかったら僕自身の成長は全然違っただろうなと思います。
ひとつ思い出したエピソードがあります。初期の割とうまく行っていた時期に、渡邉さん(渡邉貴大/ファシリテーション組織 組織長)と濱脇さん(濱脇賢一/コンサルティング事業部 部門長)と、徳田さん、僕の4人で話す機会がありました。ユニコム6は、ビジョンと実行をそれぞれ担い、関係性も良いと伝えたんです。そうしたら、渡邉さんか濱脇さんから、仲が良いのは分かったけれどチームを将来的にどうしていきたいのか、コアな話もしているのか?とフィードバックをもらったんですよね。
それを聞いて、徳田さんに甘えており依存する関係だったこと、逆にいえば徳田さんも僕に対しての依存関係にあると気づきました。チームや仕事ではなく、自分のことばかりを考えていて、いわば、いかに徳田さんとうまくやるかを考えていたと気付いたのです。それはリードの仕事ではないと反省し、自分の意見を言うきっかけにもなりました。徳田さんも、建設的に冷静に返してくれたことで、関係性が変化しましたね。
徳田 僕も自分の弱い部分や出力が100%出せない役割について、明間さんが引き取ってくれることに甘えていました。例えば周囲とコミュニケーションをする中で、僕は「目の前の相手が、普段とは違う感情を抱えていそうだ」という違和感は受け取れるのですが、それが自分の行動や言動による何かしらの影響かもしれない、と察知することが苦手だと自覚しています。異常は検知するけど、原因がわからないというか。
そういう周囲と良好な関係性を築く部分に明間さんの機微が活きていますし、僕が誰かに甘えすぎているというときも、明間さんは向き合って伝えてくれる。この振る舞いが良くないよと、重くなりすぎず、でも手遅れにならないタイミングで言われるので、その率直性と速さがすごく嬉しいです。
なので初期に比べてより良くなっている現在のチーム状態も、目標の達成も、明間さんじゃなかったらこのスピードでは辿り着いていないですね。
明間 徳田さんと僕って、ある種反対な部分があるんです。
パッと見は徳田さんの方がビジネスに強く見えるし、僕の方が何となく優しく見えたりする。でも実のところ、徳田さんはずっと幸せの話をしていて、僕はずっと仕事の話をしている。だから、集団の目的と手段がそれぞれ逆転して合致しているのかもしれません。
正反対だからこそ小さな失敗をできた感覚があって、良かったと思います。これがもし、同じ価値観の人や、同じような職能の例えばデザイナーだったら、チームのパワーは出るけれど、今のような想像を超えた発達や学びはなかったのかもしれないですね。
チームでやらざるを得ないという切実な状況が、チームを強くする
──結果的にお互いの弱い部分を補い合っているけれど、そこに至るまで葛藤があり乗り越えて、よりチームが強くなっている状態ですね。徳田さんも明間さんも、元々のスキルや経験に加えて、ユニコム6になったからこそよりタフになれたのかもしれませんね。
徳田 そうですね。そういった自己開示をし変容をすることに豊かさを見出せる人でないと、同じチームで働くのは難しいかもしれません。
頑張って働いて儲かるならそれでいいじゃんではなくて、仮に資産を築いて働かなくてよくなったとしても、幸福には向き合わないといけない。そのためには、自分の声に向き合う必要があるし、そうしないと他者の心にも向き合えるはずがないと思っています。深くてしんどいですけどね。
明間 いわゆる長時間働くというような仕事への大変さはなくても、他者と共に生きるということや、他者と一緒に変容することに対するタフさが必要だと思います。
ユニコム6を見ても、多様なメンバーがいて、それぞれの価値観を尊重し合いながらものごとを進めるのって面倒くさいんですよ(笑)。それでも一緒に何かをやるのは、やらざるを得ない別の何かがあるんですよね。
人と何かやりたいが目的ではなくて、これを諦めると人生を諦めることになってしまうっていう類のものがあって、それをやるためには人と何かをやらないといけないという。徳田さんだったら人生にとっての幸せや作品を作ることかもしれないし、押田さん(押田一平/ファシリテーター・デザイナー・リサーチャー)、今市さん(今市達也/グラフィックデザイナー・タイプデザイナー)、大野さん(大野将輝/プロジェクトマネージャー)それぞれが持っていると思います。
僕は…… できれば1人で作っていたいのだけれど、これは人とやらざるを得ないんだよみたいな機会がクライアントさんと実際ある。チームでやることへの切実な前提が合った方が、タフな状況に向き合えるし、楽しめていると思います。自分の弱みもあるし、メンバーに開くことで向き合えるのかなと。
──仕事の枠組みを超えて「人生」を大事にされているなと感じました。お二人にとって、働くことは、どういう意味を持っていますか。
徳田 僕は「働く」って単位では物事を考えていないですね。年収は〇〇万円欲しいみたいな自分の基準はありますけど(笑)。日々、自分の中のメモ帳でリフレクションする中でも、どう生きたら自分は満足するのかと考えています。
直接的なアンサーではないですが、もう働かなくてもいいお金があっても、僕はMIMIGURIで何か仕事をしていると思いますね。だから、お金のためだけではなく、あくまで生きるという行為の上で当然やりたいことや、その活動がMIMIGURIの中にあると思っています。
明間 働くことは社会との接点だと思っています。山に篭って1人で生活するんじゃない限りは、社会と接点を持っていくことは幸せに繋がると思いますし、社会参加の意味で仕事って大事だよなと。
社会との接点をどう持つかというのは、価値交換ができてるかというのが大切だと思っていて、お金をもらって労働力を提供しても良いですし、お金じゃなくて自分にとって価値がある報酬に能力を提供してもいい。そうやって社会と接続されていることは、とても尊いことだなと思っています。
──今後の人生において、興味のあることや、大事にしていきたいことは何ですか。
徳田 使い古された表現かもしれませんが、人類的なデカい仕事がしたいです。人間社会とか人類の営みにおいて、その後の分水嶺になる何か、分岐点に立ち会うことをやり続けたいですね。
例えば何百万年後には人類はいないかもしれないわけで、そのスケールで見ると、頑張って稼いで、頑張って会社を大きくすることに対して、昔から怖さを感じています。自分が頑張っても、後から見たら何の意味もないのではないかという。それでも充実感を感じるのは、大きく変わる分岐点に立つことですね。我々がどういう活動をして、どう決断をするのか。失敗を繰り返しながらも、前に進むためにどうしているのか。そこで折り合いをつけています。
そういう意味では、コンサルティングだけではなく、いろんな人や会社を巻き込んで、今までやれなかったチャレンジをして、新しい豊かさを作り出そうと思いますし、後の人類に良くないことを解消することにも興味があります。
人間社会の中で必死になって考えて前進する体験をし続けて、人生を終えるのは良いなと思っていますし、MIMIGURIには考え続けられる仲間がいますね。
明間 僕は、自律にずっと興味があって。
他の人と関わりを増やすことで自律ができて、複雑な社会を生きていけると思っています。仕事をして他者と繋がり、生活をしていければ人間100点みたいな感覚なんです。それでも難易度が高いと思うんですけど。
MIMIGURIでは、成果やお金を稼ぐことと、その中で学び発達するということが、会社としてもチームや個人としても価値観としてあります。やりたいことが出来るけど儲かっていないとか、誰かが不幸になっているみたいなことはなく、CCM(Creative Cultivation Model)の考え方に自分はとても共感してます。
これは社会の縮図だと思いますし、さらに、興味があるのは個人としてどう自律して参加していけるかということですね。
今日話してみて、僕としては、徳田さんとの自律のストーリーだったなと思いました。全然まだまだなところもありますけれど。泥臭いこともありますが、僕は自律を目指していきたいし、それが仕事の中で向き合えるのは幸せだなと思っています。
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ユニコム6のチームメンバーたちはどのように感じているのか、メッセージをもらいました。
今市達也さん:
明間さんは誰よりもチームの空気を考えて心理的安全性の高い環境をつくってくれます。德田さんはメンバーの幸せを自分ごとのように祈り、熟考してくれます。マネージャーって、チームの目指すべき未来や課題を一人で抱え込んでしまうような自己犠牲的献身性を担っているイメージがありました。しかしお二人の姿勢は異なりました。チームのために自分がいるのではなく、まずは自分を大切にする意識や目標を持ち、自分個人の幸せを探究する。そうやって自分を大事にするからこそ、他のメンバーも自分を開くことができるのだと思います。ユニコム6の推進力はリーダーの牽引だけではなく、メンバー全員の開きの共鳴から生まれるのかもしれません。お二人が目指すそんなリーダー像が僕はとても好きです。
大野将輝さん:
徳田さん、明間さんと同じチームで活動していて、二人のバランスを見ているとチームで働くという面白さが日々垣間見えます。対話を少しずつ重ねて撚り合わせていくという営みが面倒くさいけど、楽しそうに見えてきます。チーム全体にもその雰囲気が滲んでいて、懐が深い、多彩なチームになってます。取り繕うことなく、自分が何を感じて、何を考えているかを出せる、出すことが喜ばれるチームだなと思っていたのですが、二人のこれまでの葛藤やチャレンジによるものなんだなと改めて感じます。
押田一平さん:
理念や価値観を共有している集団を「共同体」と呼ぶのに対し、異なるものが異なったまま共存している集団のことを「共異体」と呼ぶことがあるそうなのですが、ユニコム6はまさに共異体と呼べるチームだなと思っています。メンバーの価値観もバラバラだし、徳田さんと明間さんも正直言って180度タイプが違う。でも、違いを解消して同じ方向を目指すのではなく、違いを違いとして認め、粘り強く対話を続けて、お互いの景色を想像し合いながら(時に喧嘩もしながら笑)、いい意味で安定しない動的なチーム運営をしている。二人のその対話的な態度が、今のユニコム6の、異なる声が共存できるチーム文化に繋がっているんじゃないかなと思います。
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プロジェクトファシリテーター
明間 隆
コンサルタント/ストラテジックプランナー
徳田 行伸
マーケティング・広報
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