組織の“らしさ”は「場」にあった。第2創業期に臨むドコモ・インサイトマーケティングが実践した、双方向の理念開発とは。

  • 小田裕和

    デザインストラテジスト/リサーチャー

  • 千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

<プロフィール(敬称略)>
江島賢一郎
江島賢一郎
代表取締役社長
1997年 株式会社インテージ入社。サービス開発、クライアント担当等に従事。2017年 副本部長、2021年7月 株式会社ドコモ・インサイトマーケティング副社長に就任。2022年6月 代表取締役社長に就任。

小竹有馬
経営企画部長
2007年 株式会社NTTドコモ入社。ペンシルバニア大学ロースクール留学、海外赴任を経て、法務部に帰任。主に他企業とのアライアンス、M&Aの実務を担当。2021年7月株式会社ドコモ・インサイトマーケティング経営企画部長に就任。

広義の意味で、企業において「創業」は一度きりとは限りません。新たな事業領域の開拓や事業の大きな方針転換など、新たな節目を迎える時、そこには第2次第3次と、大きな変革となる「創業」の挑戦が必要になります。

2022年に創業10周年を迎えた株式会社ドコモ・インサイトマーケティング(以下、DIM)もまた、2023年1月にリニューアルしたコーポレートサイトにて「第2創業期」を迎える節目である、と宣言した企業です。2022年には新たに「データから学び、チャレンジを愉しみ、社会に眠る『ほしい』をカタチに。」という企業理念を発表しました。

ドコモの約8,900万人の顧客基盤データ(2022年3月時点)とインテージのリサーチノウハウやデータ解析力などのアセットを掛け合わせ、ビッグデータ基盤を価値化することに取り組む同社。2023年2月28日には、同社が提供する「モバイル空間統計」のサービスが、世の中を変革する優れたイノベーション事例を表彰する「第11回 技術経営・イノベーション大賞」にて総務大臣賞を受賞。1時間ごとの人口を24時間365日把握可能なこの新しい統計サービスは、商圏分析やまちづくり、防災計画など様々な領域で活用されています。

リサーチ・モニター事業とエリアマーケティング事業、そしてプロモーション事業という3つの柱で事業を提供する一方で、設立から10年経った今、代表取締役社長の江島賢一郎さんは「これまでとは違う、次の世界が作れるのではないか」と、変革の展望を語ります。

10年で築いた実績を礎に、DIMはなぜ今「第2創業期」と謳うのか。なぜ、新たな企業理念を必要としていたのか。理念開発と浸透の伴走をしたMIMIGURI デザインリサーチャー/コンサルタントの小田裕和と共に、組織が置かれているフェーズと、理念開発の道のりを聞きました。

全社員に行き渡る、“魂”の宿った理念開発を。

DIMはドコモとインテージのジョイントベンチャーです。どのような企業なのでしょうか。

江島お互いの強みを生かしながら、弱みを補い合っていくというのが設立の目的であり、それは今でも変わっていません。

設立当初の10年前はちょうど、携帯・スマートフォンが普及してきて「ビッグデータ」という概念が出てきた頃でした。ドコモとしては、顧客基盤である6,000万人の情報を持っているが、活用のノウハウが無い。他方でインテージは、データリサーチのプロフェッショナルでありノウハウはあるが、モニターの基盤がまだ小さい。そんな2社が、互いの事業をさらにスケールさせていくために生まれたのがDIMです。

現在、特に力を入れている事業を教えてください。

小竹設立時には無かった一番大きいサービスとしては「モバイル空間統計」ですね。携帯電話と基地局が常時通信を行う関係で、ドコモの携帯電話を使ってるユーザーがどのように移動するのかは、タイムリーにデータで把握できるんです。それを個人情報がわからない形で統計化して活用するというのがモバイル空間統計です。マーケティングのスペシャリストであるインテージと組むことで、よりスケールできるんじゃないかという期待のもと、このサービスをDIMに切り出して取り組んでいます。

コーポレートサイトの社長メッセージには、今は「第2創業期」である、という記述があります。組織は今、どんなフェーズにあるのでしょうか。

江島DIMにはリサーチ・モニター事業とエリアマーケティング事業、そしてプロモーション事業という3つがありますが、設立から10年経った今、「これまでとは違う、次の世界が作れるのではないか」という思いがあります。既存サービスを活かしながらも、もっと生活者にワクワクしてもらえるようなコミュニケーション事業ができるのでは、というのはドコモからもインテージからも期待されているんですね。今あるもので伸ばしていくのではなく、変えていきながら成長していきたい、というのが今のフェーズになります。

加えて、ドコモとインテージの2社から出向する社員が大半であるため、メンバーも入れ替わりがあるんです。短ければ3年、4年のタームで入れ替わっている。組織は人で構成されていますから、どんな組織でありたいのかがわからなくなることがあったんです。そこで10周年の節目の今、改めて自分たちの存在と目指すものを確認したいな、と。そんな思いから、理念開発に取り組み始めました。

開発にあたって、なぜMIMIGURIに依頼したのでしょうか。

江島「10年来、我々が大切にしてるもの」について対話して目線は合ってきたんですが、全社に展開するときに言葉の力が弱いな、と課題を感じていたんです。我々のような素人が作り出す言葉だとどうも響かない。スペシャリストに魂を宿してほしい、響くものを作ってほしいと考えていたところ、インテージにMIMIGURIを紹介されたんです。

MIMIGURI合併前の旧ミミクリデザインとインテージ社は、2015年から協業関係を結んでいます。

小竹実はそれとは別に、私もMIMIGURIに問い合わせていたんです。MIMIGURI合併前の旧DONGURIとドコモが一緒にお仕事していた経緯から、ドコモに紹介してもらっていました。江島さんが繋がってることを知らずに、同時並行で。どちらの親会社もお世話になっていた、という(笑)。

不思議なご縁で繋がったわけですね(笑)。 決め手となったポイントなどはありましたか?

江島理念を開発した後にどうやって浸透を図るのかも大きな課題としてありました。理念はもちろん、クリエイティブやコーポレートサイトなどの開発から浸透までのコンサルティングを一貫して推進できる期待と実績がある会社というところで、MIMIGURIに依頼しました。

小田ご依頼いただいた段階で、既に理念開発に必要な情報をたくさん集めていただいてたんです。加えて、当然ながら僕らもDIMのことを深く理解する必要があるので、僕とコピーライターの高田 洋明さんを中心に、ヒアリングを通じて情報を整理していきました。タイムラインとしては、2022年9月のタイミングで理念だけ発表したいというご要望があったので、同年4月から8月にかけてヒアリングや情報整理を進めた上で、理念となるコピーのアイデアを当てながら方向性を定めていった、という流れでした。

開発と浸透を兼ねる「社員投票」。経営陣と社員が意味付けし合う“往復”とは。

開発のプロセスの中で、MIMIGURIが特に大事にしたのはどんなことでしたか?

小田かなり初期のヒアリングで印象に残っているのが、「理念を守るものにしたいか、それとも自分なりに読み解いていくものにしたいか」という質問に対し、「読み解くものに」と即答をいただいたことです。でも、実はそう即答できる会社ってあんまり多くないんです。その背景を、今日改めてお伺いしてみたいなと思うんですけど。

小竹もともと、自由闊達なカルチャーがあるんです。筋が通っていればある程度の裁量や解釈の余地の中で泳いでいいよ、という感じですね。その自由には責任も伴いますが、ルールで縛るようなカルチャーではないので、自然にそう答えていました。

これには、2つの大きな企業の間にあるジョイントベンチャーという特徴も影響しているのかもしれません。「せっかくなら、親会社ではできないことをやろう」という空気がありますね。

小田インテージ在籍時の江島さんとは、旧ミミクリデザイン時代にお仕事させていただいてたのですが、もともと江島さんのチームには、そういう自由闊達な空気を感じていました。

小竹社内にある事業も多岐に渡り、メンバーもそれぞれが異なる親会社からの出向です。だからこそ、何が共通点となるのかが、このプロジェクトで最も難しく悩んだところでもありました。でもMIMIGURIさんと対話する中で「もしかすると、この“場”自体がDIMらしさなのかもしれない」と言ってもらえて。そこからスムーズに進んでいったように思います。「大学」というメタファーが見い出されたのもその頃でしたよね。

小田出向期間が平均して4年間だというお話と、「親会社ではできない挑戦を」という場のあり方から、ふと出てきたメタファーが「大学っぽい」でしたね。とはいえ、もちろん事業会社なので、最終的にその文脈を前面に出して強調するアウトプットにはなっていないんですけど。プロジェクト全体に色々な影響をもたらしたメタファーだったように思います。

最終的には「データから学び、チャレンジを愉しみ、社会に眠る『ほしい』をカタチに。」という理念が開発されています。この方向性が見えたのはどのタイミングだったんでしょうか。

小竹最初にコピーライターの高田さんからいくつかいただいたアイデアは、どれも色が違って、それぞれが素晴らしかったんです。堅実そうなものもあれば、スタートアップらしいカジュアルなものもあり。我々経営企画部として、「この案が良いのでは」と意見の一致もあったのですが、江島さんから「もっとインタラクティブにしよう」アドバイスがあり「どういった形で社員に関与してもらえるか」を考えたんです。そこで、まずは候補を3つに絞り、社員に直接投票してもらうことにしました。

江島理念開発には色々なやり方があると思いますが、今回は経営企画部を中心に作った案をどのように自分ごと化してもらうか、というのが課題でした。フラットさ、自由闊達さを大事にしている組織なので、一方的な伝達にはしたくなかったんです。

小竹そのため、アンケート形式でどんな印象を抱くか、あるいはなぜダメなのかを一人ひとりに記載してもらったんです。結果としては同じくらいに票が割れて、中には我々には盲点だった指摘もありました。

どのような意見があったのでしょうか。

小竹元の案にあった「データを遊び」という言い回しについて「データで“遊び”とするのは辞めてほしい」という意見があったんですね。もちろん不真面目な意図は全く無かったのですが、確かに我々の顧客には官公庁など堅実な組織も多いので、誤解を生むのは避けたい。そこで江島が「愉しむ」と言い換えて、現在の案に決めました。決定にあたっては、ほとんどすべての定性コメントを取り上げた上で、江島自らが経緯と理由を説明しました。どの案を採用したとしても、「自分の選んだ案に決まる」のは1/3のみで、2/3の割合で「自分の選んだ案ではない」という状況が生まれてしまいますからね。

小田コメント付きの投票というプロセス自体が、開発施策であり浸透施策の始まりでもありましたよね。案が個々に解釈されコメントがなされ、その反応を受けて、江島さん自らがアカウンタビリティをもって全員に説明する。一方的ではない、この往復がお互いに意味付けし合う時間になり、重要なプロセスになったのだと思います。

江島皆で共に向き合う理念なので「でも、自分達は関わっていないし……」と他人事になってしまうのは避けたかったんです。発表の際には、ポジティブ、ネガティブを問わず、ほぼすべてのコメントを拾って紹介しました。「皆はこう思ったんだね。自分はこう思ったよ」と、受け止めながら。だから社員の皆もフラットな姿勢で聞いてくれたのでは、と思います。インタラクティブにやりたい、というのは当初からMIMIGURIに依頼していた要望でもあったので、工夫していただいてよかった点だと思いますね。

小田DIMさんは「いいものを作ってください、お任せします」というスタンスではなく、「共に良いものを作りましょう」という共創的なスタンスなんです。その前提が早い段階から一致していたんですよね。色々な意味で進めやすく、とてもありがたかったです。

「場のあり方」を定義した理念は、いかなる風向きにおいても組織の道標となる。

小田実は、クリエイティブのコンセプトも割とすぐにできたんですよ。アートディレクターの五味を中心に、手を動かして作りながら「多分、こういうことだね」と、迷わずに着地点が見えた感覚があるんです。せっかくなので、改めてクリエイティブに関してのDIMさんの感想をお聞きしてみたいですね。

小竹クリエイティブについては、そもそもどうしていいのかがわからなくて依頼したところもあったんです。小田さんの言うように前提の共有ができていたこともあって、「なるほど」という納得感が大きかったのを覚えてます。

江島模様を自由に切り取って使えるVIというのは、突拍子もないアイデアで面白いなと思いました。社員も、予想以上に楽しんでいるんですよ。うちでは、スライド資料の最後のページに理念が必ず載っているんですが……、これってすごいことだなと自社ながら思うんですが(笑)、そのページに使われている模様が、それぞれで微妙に違っていて。つまり、皆が好き好きに切り取って“使って”いるんですね。データサイエンティスト、つまりデータを元に何かを生み出していく業務なので、自分で表現するのが好きな人が多いのかな、と勝手に思っていて。そういう意味では社員にも響いたクリエイティブだったと思います。

小田「読み解き直され、解釈し直される理念に」という前提が最初に決まっていたのもあって、「自由に切り取れる」というアイデアは当初からありました。ビジュアルに落ちやすいコピーだった、とも言えるかもしれません。この「自分なりに解釈し、形を生み出す」というアプローチは浸透施策でも取り入れています。

理念浸透のワークショップの様子。理念を体現したと思うエピソードを抽出し、キーワード化。そのキーワードを「カタチにするなら」を対話し、手を動かしながら考える内容となっている。

小田「理念につながるこだわりのカタチを探る」というワークショップですが、普通は「理念浸透のワークです」と言われて、「カタチをつくろう」となるなんて思わないじゃないですか(笑)。これも、率直な反応がどうだったのかぜひ聞いてみたいです。

小竹色々な反応がありましたね。「この忙しい中で、急に『紙を切って形を作ろう』と言われても……」という戸惑いの声もありましたが(笑)。

小田いや、それはそうですよね(笑)。

小竹それでも、「メンバーの知らない一面を知れた」というポジティブな感想が共通していたように思います。対話の時間では、自分のやっていた仕事が、理念の「『ほしい』をカタチに」と照らし合わせたときに社会の中でどういうふうに評価されるのか?と立ち止まって振り返ることになります。その考え方が人それぞれ違っていて面白かった、という感想がありましたね。

仕事への考え方を知る機会って、実は日常ではあまり無くて。照れくさいから飲み会では言わないし、こういうきっかけがないと赤裸々に語ることもない。ユニークで、良いワークだったなと思いますね。

小田ワークを設計したアートエデュケーターの臼井が、「ミドルマネージャーの方にファシリテーターの役割を担ってもらう」チューニングを行なったことにより、対話がスムーズに進んだと言っていました。「個人のこだわりを問いかけましょう」という動きは意識的に盛り込んでいたので、その効果がうまく表れたと言えそうですね。

小竹あと、それぞれのグループが全体に対話内容を発表する、という時間を厚めに取っていたのも良いポイントだったなと思います。「この人は、こういう考えで働いていたんだ」と意外な発見や共感が得られるので、一体感を醸成できたように思います。まさに狙いどおりだったのではないかな、と。

それぞれの個人で多角的に解釈されることで、新たな解釈がどんどん広がり、理念が“育っていく”。そんな場だったのだなと思いました。

小田結局、そこが一番大事な気がしていて。組織って凝り固まっていっちゃうんですよね。熱量があれば防げるというものではなく、続けていくうちにどうしても硬直化していってしまう。それを解きほぐす動きが大事になってくる中では、自分が今思ってることを1回、素直に出してみるとか、普段話していない人に話すとか。シンプルだけど、必要なことだなと思うんですよね。理念に再解釈する余地を残すというのは、その解決策のひとつでもあるんです。

小竹当然ながら、理念を作って終わりでは無くて。ここから、「どう動いていくのか」を可視化するためのサブミッションやフィロソフィーなどを開発するフェーズに移っていくのかなと思います。

小田今の時点で、組織について「こんな景色になったらいいな」というイメージはありますか?

小竹景色よりはもっと抽象度が高い、姿勢を考えたいなと思っています。企業理念が2階建ての2階だとすると、その1階にあたる指針やビジョンを、理念に基づくものとして示したい。そんなふうに指針を示した先で、新事業が生まれる、などの景色が見えるのかもしれないですね。その景色も1階から眺めるのと、2階から眺めるのでは少し変わってくるかもしれません。これは、今年取り組みたいなと思っていることです。

小田僕としても、やっぱり作った理念が活動の起点になることが大事だなと感じていて。僕は他社さんなどでも新規事業の創出プロジェクトなどもお手伝いさせていただく機会があるんですけど、理念の話が出てこない、ということも全然あるんですよ。言い換えると、新規事業が理念を起点とした学習活動になってない、理念に基づいたジャッジがされてないなと思っていて。だからこそ、そんなふうに理念が起点となるのは理想だなと思います。

小竹手前味噌ながら……その観点から言うと、弊社のキックオフは“理念まみれ”です(笑)

小田素晴らしいですね!(笑)

浸透施策を経て、まさに理念を起点とした対話が行われている現在ですが、その他に組織に何か変化のようなものはありましたか?

小竹理念が何か変化をもたらしたというよりは、大事な拠り所となり始めている、という感覚がありますね。実を言うと昨年の、2022年度のDIMの決算はなかなか苦しいものだったんです。この10年間、ずっと増収増益で順調だったものが、初めて凹んだ。そういう1年だったんですね。

そこから立ち上がらなければならないときに、道標としてこの理念が存在しているのかな、と。キックオフ会議でも理念に紐づいたプレゼンテーションが各部長からありまして。初めての困難に直面している今だからこそ、この理念の意味づけがより深く行われている印象を覚えています。

江島「場のあり方」を定義できてるのがよかったなと思います。経営への考え方って、企業のキャラクターにもよると思うんですね。我々の場合は、もし数字が悪かったとしても、この企業理念に沿ったことをやりたい会社なんです。それが経営陣、部長陣と共に確かめられている。こんなふうに「なぜ、この事業をしているのか」の理念がないと、「数字が悪いから、ストイックに数字のために頑張ろう!」という事態になりがちだと思うんですね。「場のあり方」を共に作っているから、事業ドメインの展開においても、普段の業務においても目線がぶれない。

キックオフのときに、「『ほしい』をカタチに」としているけど、今の我々は「ほしい」を本当にわかっているのか?体現できているのか?という話題にもなったんですよ。掲げているこの理念をちゃんと実践していこう、と。格好良く言うなら、皆で目指す北極星のようなものが作れたのはよかったなと思っています。

経営は決して順風満帆とは限りません。良い時もあれば苦しい時もある。今回は、奇しくも困難がある最中に組織の「場のあり方」──新たな北極星が理念として定義されたところではありますが、今見据える未来に向けた展望や、新たに挑戦したいことについてお聞かせください。

江島これまではドコモのアセットとインテージのノウハウを組み合わせて事業を展開する会社でしたが、「第2創業期」となるこれからは、他の色々な会社と協業して、社会にある課題を解決する「カタチ」を作っていこう、と考えています。それはドコモにも無いアセットですし、インテージにも無いノウハウです。DIMにしかできないやり方で、次の世の中を少しでも良くしていきたいな、と思いますね。

  • Writer

    田口友紀子