経営者としての葛藤と成長を振り返る(後編)

Guest :
安斎勇樹代表取締役Co-CEO
  • 安斎勇樹

    代表取締役Co-CEO

  • 1985年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。研究と実践を架橋させながら、人と組織の創造性を高めるファシリテーションの方法論について研究している。組織イノベーションの知を耕すウェブメディア「CULTIBASE」編集長を務める。主な著書に『問いのデザイン-創造的対話のファシリテーション』(共著・学芸出版社)『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)『ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ』(共著・慶応義塾大学出版会)『協創の場のデザイン-ワークショップで企業と地域が変わる』(藝術学舎)がある。

  • このポッドキャストでは、株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEOであるミナベトモミをファシリテーターとして、MIMIGURIのメンバーやマネージャーをゲストに迎えて普段の業務やキャリアについてディスカッションしていきます。
  • 第9回のゲストは、MIMIGURI代表取締役Co-CEOである安斎勇樹です。

前編あらすじ

9月でMIMIGURIは合併して初めての半期を終えた。人数が倍以上に増えた組織では、“重心”のコントロールが難しくなったと言う安斎・ミナベ。問いを駆使して、数センチ単位の調整を続けてきた半年だった。

「全社として何を価値提供するか」

  • 前編では順調かのように聞こえた半期も、実際には葛藤にまみれていたと言う安斎。
  • あるクライアントワークでは、クライアント目線ではなく、ワークショップ・クリエイティブのユニットがそれぞれの予算目線で動きそうになってしまったこともある。
  • コンサルティングを担う濱脇は、何度も「全社として何を価値提供するかだ」と言い続けた。この半年は、「我々は何を価値提供しているのか」について、リフレーミングし続けてきた半年だった、とも言える。

「専門性の価値」を超えていく

  • DONGURIとMimicry Design(合併前の2社)は、高い専門性を持ったスペシャリスト集団で、サービスもその専門性を生かしたものが多かった。しかし、合併によって課題・プロジェクトのマクロ化が起き、1つの専門性では課題を解決できなくなってきたとミナベは言う。
  • ここでメンバーの葛藤が生まれた。1人1人には高い専門性を持ったプロとしてのアイデンティティがあるが、それではニーズを満たせなくなったのだ。「アイデンティティの拠り所を、どこに置けばいいのか」と、みんなが葛藤していた。
  • 重要だったのは、個人目線で「私の価値は何か」と考えるのではなく、もう少し上のレイヤーであるチーム目線やチーム間の目線に“重心”を移せるような問いを設計することだ。その結果として、全社会の後半ではパーパスを設計することになった。

経営者として、どのような役割を果たすべきか

  • 葛藤していたのは、安斎・ミナベも同じだ。
  • 組織のハンドリングや、メッセージの伝え方が難しくなった状況で「組織に向き合うことべきか、新しい探究に踏み込むべきか」と、時間の使い方に悩んでいたと言う安斎。
  • ミドル〜メガベンチャーの組織コンサルティングを専門とするミナベも、「自分のポジショニングに迷っていた」と言う。これまでは、ただメンバーにナレッジを提供する立場に終始することが多かったが「MIMIGURIの経営者として、チャレンジしきれていると言えるのか」と悩んだ末に、「顧客に対してやっていたことを、同じ熱量で自社でもやる」と決めた。
  • 安斎も「ミナベのポテンシャルが発揮しきれていない状況は改善すべきだと思った」と振り返る。今では、胸を張って「コミットできる」と言える、とミナベは語る。
  • 総括すると、メンバーの役割/アイデンティティのアップデートと同時に、経営者としてそれに責任を持つためにも自身のキャリア・役割もアップデートできた半年だったと言える。