MIMIGURIらしい遊び心ある組織づくり(後編)

Guest :
和泉裕之ダイアローグデザイナー
  • 和泉裕之

    ダイアローグデザイナー

  • 静岡県出身。日本赤十字看護大学卒業。在学時から「対話(dialogue)」という、物事への意味付けに着目したコミュニケーション手法に関心を持ち、ワールドカフェやOSTなどの対話の場作りを多数実践。卒業後はフリーランスファシリテーターとして4年間の武者修行を経験した後、株式会社ミミクリデザインの立ち上げに参画。現在は少人数〜数万人規模の組織にて、組織ミッション・ビジョン・行動指針のデザインや浸透(自分ごと化)を対話型ワークショップで支援。また、組織内における対話的風土づくりや内部ファシリテーター育成など、幅広い組織開発/人材育成を担当している。

  • このポッドキャストでは、株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEOであるミナベトモミをファシリテーターとして、MIMIGURIのメンバーやマネージャーをゲストに迎えて普段の業務やキャリアについてディスカッションしていきます。
  • 第7回のゲストは、MIMIGURIのマネージャー・組織人事である和泉裕之です。

前編あらすじ

社内外でファシリテーションを担うMIMIGURIマネージャー・組織人事の和泉裕之。看護学をバックグラウンドとしながらも、フィールドと対象を大きく変え、安斎のもとでファシリテーションを学び始めた裏には、「『支え手』をささえたい」という強い思いがありました。

安斎に惹かれ、弟子入りをした日

  • ケア従事者の「人を人として大切に扱い、向き合いたい」という心持ちは、経営者を支援する立場であるコンサルタントにも通じるものがある。同じように、学歴やポジション、年齢で人を判断しない安斎の態度に惹かれたと、和泉は振り返る。
  • FLEDGE(安斎が関わっていた大学生向けのワークショップ講座)を卒業した後、ファシリテーションを仕事にしていきたいという思いはより強まった。しかし、ファシリテーションを直接仕事にできるような会社は簡単には見つからない。そこで思いついたのが、安斎への弟子入りだった。
  • すぐに「掃除でもなんでもやるから、その場に居させてください」と申し入れた。最初は断られたが、安斎の周囲で「弟子です」と言い続け、弟子として既成事実を作っていった。
  • 印象的だったのが、​​弟子入りを申し出てすぐに呼ばれた、ある行政のワークショップだ。当日、後ろでメモを取っていると、突如「リフレクションから先、任せるわ」と安斎にファシリテーションを託された。これが、和泉にとって初めてのクライアントワークだった。側からみると「何を考えているのかわからない」と思われる安斎だが、弟子入りを断りつつも面倒見がよく、この後安斎と和泉は多くの現場でファシリテーションを共にすることになる。

TO BEから周りを巻き込む組織開発の渦を作る

  • 現在、OrganizationドメインとしてMIMIGURIの組織開発を担っている和泉。一般的に、組織開発とは組織がよりうまく動くようにするための働きかけの総称と理解されている。その中でも、特にメンバー同士の関係性の醸成は重要とされる。
  • しかし、ただ関係性を築くことにとどまるのではなく、「MIMIGURIがどういうことを事業としてやっていきたいと思っているのか」を明らかにし、組織開発はそれ自体を目的化せず、MIMIGURIの目的を実現するための手段としてどうあるべきなのか追究したい、と語る。
  • それには周りを巻き込む必要があるが、巻き込み方にも注意を払う。HOWだけを渡して「やってね」と言うタスクのやり取りだけではなく、「こうありたい」というTO BEの部分をメンバー間で共有・すり合わせし、「それを実現するためにはどのようなHOWがありえるだろうか?」と共に考えることができるような熱量の渦を作りたいと考えている。
  • MIMIGURIは、対話を大切にしている組織だ。しかし、和泉はまだ満足していない。「ファシリテーター」という肩書きを持っている人だけではなく、全員が「共に場を作る・支え合う・円滑にしていく」マインドを持っている集団になることが目標だ。

プレイフルアプローチの可能性を、MIMIGURIから発信するために

  • また、「新しい組織開発の手法を社外にも伝えていきたい」と和泉は言う。現在、多くの組織開発の思想は「変化は痛みで、それを乗り越えることが大切」という“ペインフルアプローチ”に基づいている。しかし、MIMIGURIが大切にしているのは、「楽しい」「やりたい」という、変化に伴って生まれる遊びや衝動だ。この“プレイフルアプローチ”に基づいた組織開発の進め方を、MIMIGURIが率先して社内で体現し、世の中に伝えていく役割を担いたいのだ。
  • 変容の起点には、組織や個人の学び、があるはずだ。「新しいことを学んで楽しい」という感覚を大切にし、個人の学習を促進するような組織ファシリテーションのあり方を探究していくことが和泉の目標だ。
  • メンバー1人1人にとって、どこが衝動のポイントで、何が学びになるのか。それを把握するためには、「この人はマネージャーで、あの人は営業」などというカテゴライズをやめなければならない。
  • メンバー1人1人を、人としてみる。その上で、学習が促進される“本気の瞬間”をどうファシリテーションできるか。組織人事としての和泉の挑戦である。